【Q&A】人工授精は毎月できる?~稲垣先生【医師監修】

MIさん(42歳)

8月に3回目の人工授精をしました。
今後も人工授精でやっていきたいと思っていて、ステップアップは希望していません。
人工授精を毎月していきたいと思っていますが可能でしょうか。

また、夫の運動率が良くないためクロミッドを半年以上服用しています。
だんだん薬を飲んでいても運動率が下がってきていますが、このまま服用を続けて妊活をしていてもいいのか疑問があります。

稲垣先生にお話をおうかがいしました。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●人工授精を毎月続けることは可能でしょうか?

排卵があるのであれば、実施は可能だと思います。

●夫の運動率が低下していることへの対策はありますか?

まずはその原因の検索ありきではないでしょうか。対策は、原因があればそれに対応するのが最適だと思います。原因がはっきりしない場合ももちろんありますので、一般的には漢方薬の服用やサプリメントなどを試してみてもいいかもしれません。

●クロミッドの長期服用による影響について教えてください。

個人差がありますが、2点、大きな影響があると思います。1つは効果が減弱することです。もうひとつは子宮内膜の菲薄化が起きることです。男性、女性の場合も長期にわたる服用となる場合は肝機能障害に注意が必要です。

●クロミッドを続けても良いのか、他の選択肢はありますか?

妊娠の可能性が下がるような事象がなければクロミッド(クロミフェン)の服用は継続してもいいと思いますが、そうでない場合は排卵誘発剤の変更も考慮するべきだと思います。男性にもゴナドトロピンの注射をする場合がありますが、保険適応は限定的ですし、高価な薬剤ですので、現実的ではないかもしれません。

●夫の運動率改善のための生活習慣や治療法を教えてください。

「運動率」というのは精子のことでしょうか。
岡田弘先生の「男性不妊バイブル」というサイトが参考になります。(http://maleinfertility.jp/そのサイトによると7か条が載っています。
・禁煙
・禁欲しすぎない(適切な射精間隔)
・下着の工夫
・サウナや風呂に長時間入らない
・膝の上で長時間PCの操作をしない
・自転車による股間の刺激を避ける
・育毛剤の一部に精子に有害なものがあると紹介されています。

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