小山 伸夫先生に教えていただきました。

小山 伸夫 先生(ART女性クリニック 院長)
熊本大学大学院医学研究科卒。熊本大学産婦人科、兵庫医科大学産婦人科外来医長を経て、慈恵病院産婦人科部長。2005年、熊本で初となる不妊専門クリニック「ART女性クリニック」を開院。
いちご大福さん (30歳)
人工授精3回目になるのですが、環境が何も変わっていない状況でこのまま治療を進めても、いい結果が出ないのではないかと不安に感じています。このまま5回程度人工授精をやって体外受精でステップアップする流れだと思うのですが、体外受精の前に転院を検討すべきかどうか悩んでいるところです。
上記の検査内容で問題に思ったり、他に必要な検査の不足などはないでしょうか?
潜在性高プロラクチン血症ですが、生理は今まで一度も来なかったことはなく、周期も安定しています。ただ負荷検査は人工授精前に1回行ったのみです。カバサール服用後の検査値は測定していません。
また、潜在性高プロラクチン血症の人は妊活を頑張りすぎるのは「ホルモンに影響するので良くない」とネットの情報に書いてあったので、アクティブな妊活自体をやめてしまう方がいいのかという葛藤も感じています。
生活は睡眠時間は8時間、月に1回の夜勤、飲酒を生理期間のみにし、筋トレに近いピラティスを週に1回1時間、ウォーキングを週3~4回21分以上、上記のサプリメントを摂取しています。
他に必要な検査がないか、他にオススメできるサプリメントや生活習慣などがあれば教えて頂きたいです。
質問紙を拝見して、気になったのは子宮後屈で子宮と腸との癒着の疑いがあるとのことです。おそらく内診で疑われたと思いますが、そのことより子宮内膜症も疑われます。月経痛、排便痛、性交痛などの症状はないでしょうか?CA125の検査はされたでしょうか?子宮内膜症は不妊症の原因となります。年齢も30歳と若いので、子宮内膜症が疑われば、腹腔鏡による診断、治療も治療方法になります。
潜在性高プロラクチン血症に対する治療はカバサールの内服の継続でいいと思います。ホルモンバランスを気にする必要はないと思います。
また、BMIが19.5とやや低いです。妊娠希望の場合の理想的なBMIは20~24とされています。体脂肪率も22%以上を目指すと妊娠率が向上します。
今後の治療方針としては、あと1-2回人工授精をして、妊娠しなければ体外受精をお勧めします。また、体外受精にstep upする際は、転院も含めて実績のあるクリニックを選択されたらいいと思います。