野風さん (41歳)2点質問です。
①
40歳の時の2回ホルモン補充周期で着床までしました(2回とも稽留流産、1回は染色体異常なし)。2回ともルエストロジェル、ルテウムでホルモン補充しましたが、ホルモン値を指摘される事はありませんでした。
4回目のホルモン周期での移植ではなぜか排卵してしまい、エストロジェルが効いてないと言われ中止。
次周期ではプレゼリンを使用しての移植となりましたが、今度はルテウムが効いてないのか黄体ホルモンが上がってこなく注射での補充がプラスになりました。
5回目の移植は新鮮胚の初期胚での移植となりましたが、採卵翌日よりワンクリン1日1回使用、移植当日オビドレルを使いましたが、ET12日で生理がきてしまい生理3日目でP4が0.6となっていました。
移植前の血液検査はしていません。なぜ膣剤にしてもジェルにしても効かないんでしょうか?膣剤がこんなに効かない人は珍しいのでしょうか?
②
今まではAMHが低いため低刺激でしたが、今回より高刺激に変更しています。高刺激では7〜8個採卵できました(うち4個初期胚で移植)。
今までの治療歴を踏まえて保険ラスト1回はどのような移植を考えたら良いでしょうか?貯卵は無し、採卵よりスタート予定です。
福田ウイメンズクリニックの福田先生に聞いてみました。
【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●野風さんの場合、ルエストロジェルやルテウムなどのホルモン補充が効果を発揮しないのはどのような原因が考えられますか?また、このような状況は一般的に珍しいと言えますか?
ホルモン補充周期で2回着床して胎嚢まで確認されていることから
ホルモン補充はしっかり効いていると考えます。
膣剤は血液に移行するのに個人差もあり、
また膣剤を使用してからの時間なども影響するためホルモン採血(
P4)は正確ではありません。
●以前のホルモン補充周期での移植時に排卵したとのことですが、どのような原因が考えられますか?
ピルなどの避妊薬(ホルモン剤)も排卵を完全に抑えることは不可能なので、ホルモン補充周期であっても排卵することはあります。原因としてはホルモンバランスや卵巣機能などが考えられます。

●今回の新鮮胚の初期胚での移植では、ワンクリンとオビドレルを使用しましたが、それにも関わらず ET12日で野風さんが生理を迎えてしまった 理由について、先生の見解をお聞かせください。
新鮮胚移植の場合は採卵のため卵巣刺激をしていることが多く、その場合通常よりホルモンが出ています。そのため妊娠に至らない場合はホルモンの低下(急降下)があると出血しやすくなります。
ET12日で生理を迎えたとのことですが、採卵日から数えると14日目以降になると思うので決して早いわけではないと思います。また、エストロゲンは補充されていないためエストロゲンの低下とともに出血が起こったと思われます。
●現在、高刺激法に変更してAMHの低下に対応していますが、これまでの治療歴を考慮に入れた場合、次回の移植に向けてどのようなアプローチをお勧めされますか?特に、保険が適用される最後の治療に向けての具体的な提案があれば教えていただきたいです。
高刺激で7−8個採卵できていることより高刺激で採卵し胚盤胞凍結を行い、着床した実績のあるホルモン補充周期での良好胚盤胞の2個移植を検討します。