モモさん(27歳)
精子は問題ないと言われましたが、ネットだと運動率40%は低いように思います。
卵胞が14個見えていて「10個前後採れるかな」と言われていましたが、3個しか採れませんでした。
トリガーがブセレリンのみだったのが原因でしょうか?
【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●モモさんのパートナーの精子について、運動率 40%が不妊に影響を及ぼす可能性について教えていただけますか?
精液所見は変動が大きく、一度きりの所見で断定的な判断をするのはやや無理があるかと思います。記載された精液所見は確かにやや不足気味かもしれませんが、ARTにおいてはそれほど問題になる所見ではないと思います。
体外受精において必要な精子数は一般に卵子1つあたり5〜10万とされています。今回のデータでは運動精子は全体で1200万いるわけですから、必ずしも少ないとは言えないのではないでしょうか。運動率も40%、基準値は42%以上ですのでやや低いですが、どうしても改善が必要なレベルではないのではないでしょうか。ただし、精索静脈瘤などの基礎疾患が背景にある場合は治療を検討されてもいいと思います。

●今後の治療方針について、先生でしたらどのような提案をされますか?
排卵誘発法や採卵時の卵胞径、ホルモン値等の記載がありませんので、卵胞数と採卵数の差について言及するだけの情報が不足しています。
周期では、排卵直前のエストラジオール値が300pg/mL前後のため、採卵直前の同値が300pg/mLあたり1つ採卵できると大雑把には予測しています。トリガーが点鼻薬だったとのことですが、排卵刺激薬の選択については、患者さまに排卵障害があった場合はその障害箇所に応じた排卵刺激薬の選択が必要になります。下垂体機能不全の方の点鼻薬は効果がなく、注射(hCG)が必要です。質問者の方の場合は点鼻薬で採卵ができているので、問題ないのではないでしょうか。卵胞発育に差が出にくいとされるような排卵刺激薬の選択や排卵誘発法を工夫してみてはいかがでしょうか。