【Q&A】保険適用治療回数満了、今後は?~浅田先生【医師監修】

INUHAKAZOKUさん (40歳)
先日、6回目の移植が陰性となり保険治療が終了となりました。結果説明の際に先生から着床障害のTh1/Th2検査を勧められました(子宮内フローラ検査の話もされましたが、一年以上はプロバイオティクスを服用しているので必要ないかと思いました)。
一度、妊娠しているので着床に問題はなく卵の染色体異常で着床しないと思うのですが、着床障害の可能性はあるのでしょうか?

自費検査で高額なため、必要なのかと悩んでいます。
自費検査ですと病院によって検査費用が異なりますが、他院で採血検査のみ受ける事は難しいのでしょうか?
自宅から近い不妊クリニックですと数万円も違ったのでこちらなら気軽に検査できるかもとも思いました。

また、残りの胚盤胞の質も可能性が低いのではと自費での移植に悩んでいます。

自費移植をしてまた陰性で終わり、精神的に辛い思いをするのなら、このまま終了しても良いのではないかとも思い悩んでいます。

着床障害の自費検査を受けるべきでしょうか。
4月で41歳になるので残りの胚盤胞移植で妊娠・出産はどれくらいの可能性があるのかご回答頂けると幸いです。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

INUHAKAZOKUさんの情報を拝見し、非常に残念に思うのは、AMH値が1.52ng/mlもあるので、きちんとした卵巣刺激を行えば効率よく卵を採ることができ、時間と費用の短縮ができたのではないかと思います。保険適用の回数制限を1つのクリニックで使われてしまったことが残念に思います。体外受精顕微授精は、技術がすべてですので保険適用の権利があるうちにどんどんクリニックを変えて効率よく結果を求めるべきだったと悔しく思います。

INUHAKAZOKUさんの場合は流産を経験されているので、今さらエビデンスの無い着床障害の検査を行うよりも、染色体異常の卵を移植しないようにPGT-A検査をすることが妊娠への一番の近道だと考えます。

漢方薬やサプリメントをたくさん服用されていますが、現在、科学的に妊娠率が向上すると証明されている漢方薬やサプリメントはありませんので、そういったことにお金を使うより、きちんとした卵巣刺激ができ、可能であればPGT-A検査をして染色体異常の卵を移植しないようにすることが無駄にお金を使わないことになります。

保険適用でどこのクリニックで治療しても、治療内容は変わらないと思われるかもしれませんが、卵巣刺激の技術、培養の技術はクリニックにより大きく異なりますので、結果がでなければより良いクリニックにステップアップされることも大切だと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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