NHさん(33歳)
1月27日に3回目の凍結胚盤胞移植をし、2月5日の妊娠判定でhCG257。胎嚢確認待ちです。
判定日前まで、悪阻のような症状がありましたが、判定日前日あたりからどんどん軽快していっています。
流産の傾向なのでしょうか?
何か出来ることはありますか?
【医師監修】さっぽろARTクリニックn24 藤本 尚先生
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
今回の胚移植が何日目の胚かの記載がありませんので、胚盤胞(
培養5日目胚)であると仮定してのお返事になりますが、1/
27胚盤胞移植を行った場合、2/
5は妊娠4週0日に相当します。
妊娠4週0日での妊娠判定であれば、HCG:
100以上あれば十分な数値といえますので、NHさんのHCG:
257は数値的に問題ない数値といえます。
悪阻の症状ですが、基本的には早くても妊娠5週過ぎてからでてきます。判定前から悪阻の症状が出るということはないので、判定前に出ていた嘔気などは、そもそも悪阻の症状ではありません。なので、それが出てきたとか、消えたということと、その後の妊娠継続の有無は関連しないものといえます。
また実際に妊娠5週以降に本当の悪阻症状が出ている方が、悪阻症状が消えたので心配で、、と言われて受診される方がいますが、これについても悪阻症状の有無と妊娠継続の有無は関連しないですよ、といつも患者さんにお話ししています。
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妊娠初期、いわゆる安定期に入るまでは赤ちゃん次第での流産が決まる時期になります。自然淘汰が行われる時期とも言えます。
仮に妊娠に至っても何かトラブルを抱えている場合(多くは染色体異常など)には安定期に入る前に流産するようにできています。そのため、安静にしているから大丈夫ということもありませんし、仮に流産した場合でも動きすぎたからではないか?と気にする方がいますが、それも関係ありません。基本的には赤ちゃん側の問題での流産が大半を占めるからです。嫌な言い方になるかもしれませんが、この時期はなるようにしかならない時期とも言えます。
なので、私もよく患者さんに色々聞かれますが、“普通”でいいです。とお答えしています。普段通りの生活でいいですよということです。
心配かもしれませんが、赤ちゃんを信じて安定期も目指していきましょう。