【Q&A】移植かTRIO検査か~松原先生【医師監修】

のんさん(40歳)

現在までに採卵3回、移植3回しています。
2回目の移植で心拍確認までいけたので、TRIO検査をしようか移植をしようか迷っています。
私のような場合はどちらがお勧めでしょうか?また、どちらを先にするかでどのようなメリットがあるのか教えてください。

操レディスホスピタルの松原先生に伺いました。

操レディスホスピタル 松原 寛和 先生
名古屋市立大学卒業。操レディスホスピタルでは、生殖医療部門の統括部長として、主に不妊治療を担当。医学博士。日本産科婦人科学会専門医・指導医。日本生殖医学会 生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●のんさんの現在の年齢や一般的な健康状態について、どの程度、不妊に影響があると考えられますか?

加齢による卵子の質や着床率(流産率)への影響は否定できません。ただ、AMH値が2.17(40歳平均は約1.0)と高く、採卵時に多数の卵子を採取できていることより、40歳としての不妊への影響は少ない方であると考えられます。

●移植に至るまでの過程(採卵、受精、胚の成長等)において、先生から見て気になる点や改善すべき点があれば教えてください。

多数の卵子を採取できている割には胚盤胞への到達率が低いと思われます。未熟卵の割合や受精方法(体外受精か顕微授精か)、受精率などがわからないため、はっきりと申し上げることができませんが、卵巣の刺激方法の工夫(内服薬と注射剤の組み合わせ方、排卵の抑制方法、hCGやGnRHaなどのトリガーの使い方)や先進医療の選択(タイムラプスインキュベーター、IMSI、PICSI、ZyMotなど)により、胚盤胞への到達率が増える可能性があります。

●のんさんがこれまでに行った移植で心拍が確認できたことを考慮に入れると、TRIO検査と再度の移植のどちらを先に行ったほうがよいのか、 理由とともに教えてください。

過去に2回以上着床していないことより、先にTRIO検査を行うことをお勧めします。TRIO検査で異常があった場合に、抗菌剤治療や乳酸菌補充などで子宮内環境を整えること、移植日の変更で着床の窓のずれを調整することができます。また、不育症とは診断されませんが、心拍確認後に流産されていますので、TRIO検査と同時に不育症検査もされてもよいのではと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。