【Q&A】遺残卵胞について~藤本先生【医師監修】

みやさん(38歳)

前の周期に消えなかった卵胞が残っていると言われ、現在経過観察しています。
大きさは30mm。生理4日目に診察して言われてから1週間後もエコーで見たが大きさもそのままで残っていました。
消えないといつまでも妊活が進まないようでモヤモヤします。
どうしたら消えるのか、妊活を進めるにはどうしたら良いのか、アドバイスいただけないでしょうか。

【医師監修】さっぽろARTクリニックn24 藤本 尚先生
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
遺残卵胞はある一定の頻度で出てくるものです。完全に出ないようにできるものではありません。これは、排卵がうまくいかなかった際に卵胞の袋が残ってしまうものですが、翌周期には吸収されて消失してしまう場合もありますし、数か月残ってしまうこともあります。
また、何か生活習慣の改善などでできづらくなるものではないですし、焼失するものでもありません。30mm位であれば、それがあることでの問題はほとんどないと言えますが、その遺残卵胞がサイズによっては、今周期育ってきた卵胞と見誤ってしまう場合があります。
例えば、タイミングや人工授精をする方が月経周期12-13日目に来院されて超音波で卵胞を観察した際に、18mmの卵胞?と思われる丸いものがあったとします。30mmであれば前周期の遺残と認識されますが、元は30mmでも吸収される過程で少し小さくなって18mmくらいになってしまうと、それが今周期育ってきた卵胞なのか?前周期にできた遺残卵胞なのかの判別ができなくなります。
見た目での判別は困難な場合がありますので、その際にはホルモン採血(エストロゲン)や子宮内膜の厚さも含めての総合的な判断が必要になる場合もあります。今周期育ってきた卵胞ならエストロゲンが上がってきますが、遺残卵胞ならエストロゲンは高くありません。
長く書いてしまいましたが、30mmの遺残卵胞なら仮に残っていてもあまり気にする必要はありません。それを遺残卵胞としてきちんと認識したうえで見誤らないようにタイミングや人工授精を行うことができます。
みやさんの、見せていただいた治療経過を拝見すると、すでにタイミング×3、人工授精×2をされているようなので、あと数回人工授精が不成功の場合には体外受精を検討する時期とかなと思われます。AMHもしっかりある方なので、ARTに進むことでさらに妊娠の可能性は高くなるものと思われます。もちろんその際にも30mm程度の遺残卵胞であれば全く問題にはならないので気にせずに今の治療を進めていくといいと思います。
このまま頑張ってくださいね。
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