カナさん(41歳)
2 人目不妊です。昨年11月に卵管造影検査後に、一度目の人工授精で初期流産。その後、4 回人工授精をしましたがダメでした。今年4 月に初めての採卵で7個採れたのですが、胚盤胞にならず今は治療を休んでいます。次に採卵を行う際は年齢的に胚盤胞に育つのを待つのは時間がもったいなく、培養3、4 日目で移植するのはどうでしょうか?また、もう一度卵管造影をして人工授精でも妊娠の可能性はありますか?できるだけ保険診療内で妊娠を目指したいです。
福井ウィメンズクリニック 福井 敬介 先生 日本大学医学部卒業。卒業と同時に愛媛大学産科婦人科に入局。愛媛大学大学院医学専攻科修了。2000 年愛媛大学産科婦人科学助教授。2001 年、「高度な生殖医療をより身近な医療として不妊カップルに提供したい」と福井ウィメンズクリニックを開設する。
目次
培養3、4日目の胚移植について、先生の考えをお聞かせください。
福井先生● カナさんは一度採卵して胚盤胞にならなかったということですよね。この時に保険を使われたでしょ
うから、あと2回でしょうか。ただ、凍結していないのであれば保険は使っていないはずですから、保険という
カードは3回あります。何回か培養を繰り返したほうが、胚盤胞になる確率が上がるので、培養3、4日目初
期胚の移植でいわゆるカードを切ってしまうのはもったいないと思います。
41歳という年齢を気にされているのかもしれませんが、焦る必要はないと思います。胚盤胞まで培養し受精卵の質を見極めてからでも遅くはないです。
うから、あと2回でしょうか。ただ、凍結していないのであれば保険は使っていないはずですから、保険という
カードは3回あります。何回か培養を繰り返したほうが、胚盤胞になる確率が上がるので、培養3、4日目初
期胚の移植でいわゆるカードを切ってしまうのはもったいないと思います。
41歳という年齢を気にされているのかもしれませんが、焦る必要はないと思います。胚盤胞まで培養し受精卵の質を見極めてからでも遅くはないです。
前回の採卵で胚盤胞に至らなかった理由について何か特定の要因は考えられますか?
福井先生●AMHが0.68ng/mlと低いですし、年齢は一因であるかと思います。また、排卵誘発剤の種類や使用する量、培養環境がどうであったか。たとえば、受精卵への外的ダメージを大幅に軽減させ、より良い環境での胚培養を行えるタイムラプス法を用いたのかどうか。誘発剤の種類や量を変えるなどして、今後に期待したいですね。
再度、卵管造影検査を行い、人工授精による妊娠の可能性はあると思われますか?
福井先生● 体外受精にすでにチャレンジされているので、この場合はステップダウンになりますね。
妊娠の成功率の数字だけで言うならば、体外受精を続けたほうがいいです。ただ金銭面のほか、2人目不妊だということを考えれば、人工授精へのステップダウンはありだとは思います。あまりおすすめはしませんが、考えは人それぞれですからね。主治医としっかりと相談してください。
妊娠の成功率の数字だけで言うならば、体外受精を続けたほうがいいです。ただ金銭面のほか、2人目不妊だということを考えれば、人工授精へのステップダウンはありだとは思います。あまりおすすめはしませんが、考えは人それぞれですからね。主治医としっかりと相談してください。
カナさんの場合、他の不妊治療や検査を選択する時期にきていると思われますか?
福井先生●お1人目のお子さんがまだ小さいのであれば、子育てと不妊治療の両立は大変でしょう。保険診療内で妊娠を目指したいのであれば、ステップダウンよりはスタンダードな治療を進めていくのがいいかと思います。お気持ちはわかりますが、あまり焦らないことです。