ゆんさん(33歳)
2回目4AA移植、SEET、AHA、ヒアルロン酸あり
2回ともホルモン補充周期にも関わらず、D13辺りで排卵痛とのびおりがありました。
通常だと排卵時期だったので試しに排卵検査薬を使用してみたところ陽性。3日後に陰性になりました。
医師から排卵については何も言われていません。また、両方とも移植4〜5日後頃に生理痛がありました。
通常の生理予定日のタイミングです。(D26-27)
いつも生理前日~1日目に独特の腹痛があるのですが、それと全く同じ生理痛がありました。ウトロゲスタンを挿入していたので経血自体はありません。
1回目と2回目の移植の間にキャンセルになった移植周期があるのですが、その時はホルモン補充周期D27で移植予定でした。そのときもD26に、まだ移植していないにも関わらず、いつもと同じ独特の生理痛がありました。このときもウトロゲスタンを挿入していたので経血自体はありません。
①ホルモン補充にも関わらず、排卵検査薬が反応することはあるのでしょうか?おりものの増加や排卵痛があるのはなぜでしょうか。診察がない2週間の間に2回とも排卵していた可能性はあるのでしょうか。
2回とも全く同じ症状があり陰性でしたので、ホルモン補充の方法が合っていないのでしょうか。
高橋敬一先生にお伺いしました。

金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
2回の胚盤胞移植でよい結果が出ずにお悩みなのですね。
①通常は、ホルモン補充周期では排卵が抑制されるのですが、ホルモン補充周期でも排卵することは時々あります。今回は、D17頃の超音波検査やホルモン検査がわからないので推測になりますが、D13頃に排卵した可能性はあります。2回とも排卵した可能性はありますが、推測での可能性がある、だけで、断言はできません。
②ただし、この排卵の有無は、胚移植時には明確にはわからないことが多いと思います。
③卵巣機能がAMH0.57と低下気味ですが、低下していると排卵抑制が十分にされずに、予想外に排卵することは珍しくはありません。ホルモン補充のやり方が悪いとは言えないと思いますが、追加の確認と工夫は必要かもしれません。
④子宮内膜の厚さは8㎜以上あったようなので、生理が2日間で終わること自体は、あまり関係ないと思いますよ。
⑤2回の胚移植の不成功は珍しくはありません。胚の染色体異常もかなり関係しています。もう1回は普通には移植してもよいと思います。もし積極的な検査をご希望ならば、理論的には、胚の染色体の検査の着床前診断(PGT-A)が必要ですが、保険との併用は原則まだ認められていません。
3回良好胚盤胞を移植しても妊娠しない場合には着床不全として、検査をおこなうことが推奨されます。ご不安ならばこれらの検査を2回の不成功でもおこなってよいと思います。
慢性子宮内膜炎(CD138) 、子宮内細菌(フローラ)、などです。ただし、これらは自費検査になります。なお子宮鏡検査や子宮卵管造影検査は確認していますでしょうか?
⑥今後については、排卵している可能性があるならば、黄体ホルモン切り替え時の超音波検査やホルモン検査をおこなう、ホルモン補充を通常よりも早く開始する、GnRHa鼻スプレーで排卵を抑制する、などの対策が考えられます。またもし排卵するならば、排卵に合わせて胚移植すれば問題はないことになります。
卵巣機能は低下していますが、良い胚盤胞が得られているようなので頑張ってくださいね。