【特集】妊娠判定日までの期間が落ち着かない!ソワソワ期、どう過ごす?

妊活をしている人にとって、妊娠判定を待つ間は「受精したかな?」「着床したかな?」と落ち着かない時期。
ほかの人はどうやってその時期を乗り切っているのかを見ながら少しでも心穏やかに過ごせる方法を見つけていきましょう。

ソワソワ期に不安とストレスはつきもの?

妊活中のソワソワ期は、いつと決められているわけではありませんが、排卵日や体外受精で受精卵を移植した日から妊娠判定までの期間を指すことが多いようです。この時期は、体調の変化に敏感になり、「妊娠したのかな?」と期待したり、「いやダメかもしれない」と落ち込んだり、いろいろなことを考えてしまうもの。
答えを見つけようとネットで検索ばかりしてしまうなど、ソワソワ落ち着かない期間を多くの人が経験しているのではないでしょうか。
「ヨーロッパヒト生殖発生学会(ESHRE)」が2015年に生殖医療スタッフのために作成したガイドの中で、「不安とストレスは、患者が結果を予想している時(たとえば、妊娠判定検査前の待機中、採卵から胚移植までの期間)に強くなる」と記しています。これは研究・エビデンスに基づいたもので、多くの人がこの時期に不安とストレスを感じることを示しています。 とはいえ、赤ちゃんが来てくれるのを待つ期間は、できるだけ落ち着いた幸せな気持ちで過ごしたいですね。ご紹介する専門家やジネコユーザーの体験談をヒントに、感動の日を迎えるためのソワソワ期の過ごし方を見つけてみませんか?


不妊相談のプロに聞く!ソワソワ期に少しでも不安にならず健やかに過ごす方法

妊活中の誰もが経験するソワソワ期。少しでもラクに過ごすためにはどうすればいいか、多くの患者さんに寄り添ってきた、岡山二人クリニックの不妊症看護認定看護師・定本幸子さんに話を伺いました。

岡山二人クリニック 望妊治療センター相談部 定本幸子さん
1998 年、岡山二人クリニックに入る。看護部にて看護相談などの実践を経て、同クリニック望妊センター開設と同時に相談部に配属となる。現在は同センター内の相談部部長、不妊症看護認定看護師(生殖医療コーディネーター)。

真面目な人がソワソワ期にストレスを感じている

私が勤める岡山二人クリニック望妊治療センター相談部は、患者さんが予約なしでいつでも話したくなった時に立ち寄れる場所です。看護師、臨床心理士、管理栄養士、医療事務といった専門職スタッフが常駐しており、基本的にどんなお悩みやご相談にも対応できるようにしています。昨年の相談件数は600件ぐらい。多様なご相談をいただいています。ただ、人工授精や移植から妊娠判定までのいわゆる“ソワソワ期”は受診がない期間になるため、相談部を訪れる患者さんがほとんどいません。移植が済んだ時に「今後しばらくはリラックスしてお過ごしくださいね」とお伝えして、次に来院いただくのは妊娠判定の時というわけです。
とはいえ、治療が思うように進まなかったり、妊娠判定が残念な結果だったりした時と同様、ソワソワ期もまた患者さんがストレスを感じているのは確かです。実際、「妊娠したかどうかわからなくて不安」「高温期にならない。人工授精したけれど、排卵したんだろうか」といったご心配のお電話をいただくことも多いです。
そんなふうに不安をご連絡くださるのは比較的真面目な性格の方が多いように感じています。ネットで調べたり、本を読んできちんと勉強されているがゆえに、そこに書かれている通りでないと焦ってしまう。しかも、インパクトのあるものが記憶に残ってしまい、より強く不安を感じたり落ち込んでしまうわけです。

夫婦でリラックスする方法を見つけておく

ソワソワ期に市販の妊娠検査薬で事前にチェックする患者さんも多いです。その気持ちもわかるのですが、かえって不安を増長させるだけなので、あまりおすすめしません。そもそもなぜ病院では採血で妊娠判定をしているかというと、尿より正確に結果が出るからです。従ってそこまで待っていただくほうが賢明です。
そんなソワソワ期の不安を少しでも軽減するには、ごくごく普通に過ごすのが一番です。気分を変えたいからと新たに何か始めるのも避けたほうがいいです。今までやっていなかったことを始めると心身に負荷がかかり、生活のリズムを乱してしまうことが多いからです。
ご主人に話すのも得策ですが、「大丈夫だよ」「心配しなくていいよ」と言われても余計苦しくなるだけ。そのためご主人には「つらそうだね」「不安だよね」「待つのは長いね」など、目に映ったあなたの姿をそのまま表現して声をかけてくれるよう伝えておけるといいですね。
普段から夫婦でリラックスできる方法を見つけておくこともおすすめです。二人で何をしている時が楽しいか、ゆっくりした気持ちになれるのかいくつかのパターンがもてるといいかと思います。

ソワソワ期の過ごし方のポイント

日常をこなすこと

仕事や家事など、それまでと変える必要はありません。日常生活が着床に影響することもないので、生活リズムを崩さず、今まで通りに過ごしましょう。

新しいことはやらない

今までやっていなかったのにウォーキングや運動を始めるなど、生活のリズムを変えると心身に負担がかかります。楽しんでできる分にはいいのですが、「良い結果になるように頑張らなければ」と考えて始めるのはやめましょう。

気になることは解決していく

たとえば、「エレベーターがないマンションなので、重いものを持って階段を上がるのは不安」と思ったら、ネットスーパーを使うなど、気になることや不安のもとがなくなるよう、夫婦で考えていきましょう。

妊娠と生理前の症状は似ていると認識しておく

胸が張る、頭痛がする、眠気がある、イライラする、などは妊娠の初期でも生理前でも起こる症状です。つまり症状で判断はできないので、判定の日まではわからないことだと知っておきましょう。

夫婦で楽しんだりリラックスできることを見つけておく

何をしている時が楽しいのか、リラックスできるのはどんな時かなどを、二人で探しておきましょう。ソワソワ期に限らず、治療中ずっと、夫婦で楽しんだり気分転換できることを取り入れながら進んでいけるといいですね。

みんなはどうしてる?ソワソワ期にやってよかったこと・やらなければよかったこと

今回のアンケートでの「ソワソワ期に気になること」で、ほかの人はどのように過ごしているのか気になるという回答が多くありました。できるだけストレスなく、ソワソワせずに過ごすために、ユーザーさんの声の中から「うまくいったこと・いかなかったこと」をご紹介します。いろいろな声を参考に、自分に合った過ごし方を見つけましょう。

うまくいったこと

  • ゆっくりする。おいしいものを食べる。温泉に入る。どれも結果にはかかわらないけど気持ちが安定しました。(あすかさん)
  • YouTube で動物の動画を観ています。癒されて気持ちが落ち着く気がします。(コッコさん)
  • お笑いのYouTube を見たり、ラジオを聞いたりして笑って過ごすと前向きな気持ちになれました。(Maa さん)
  • ウォーキングや好きなテレビゲームをして、余計な思考を徹底的に排除しました。何も考えないのが一番。(とちさん)
  • 簿記の勉強をして気持ちを違うほうへ向けていました。ふと妊娠のことを思い出すことはありましたが、気持ちが不安定になることなく過ごせたのでおすすめです。(ずっきーさん)
  • ついスマホで検索魔になってしまうので、散歩してスマホを見ずに外の空気を吸って「なるようになる!」と気分転換していました。(ゆうさん)
  • 安静重視でなるべく予定を入れなかった時は、結果のことばかり考えてしまい、結局ストレスフルな生活に。無理のない程度に予定を入れて考えない状況を作った結果、夜は疲れですぐに眠れて妊娠判定日まで思い詰めることはなかったです。(まあさんさん)
  • 夫にすぐ話したり、神仏を拝みに行くと気持ちがスッキリしました。(ずーみさん)
  • 神社参りは、厳かな雰囲気で、気持ちが穏やかになります。また、不妊相談員さんに話を聞いてもらい、小さなことをたくさん褒めてもらうことで前向きな気持ちになります。(とりとるさん)
  • ジンクスはあくまでジンクスで関係ないとわかってはいるが、やったことでちょっとした安心感は得られたように思います。(まーさんさん)
  • ジンクス行脚したら、やるだけやったと自己満足できました。(むーみんさん)

うまくいかなかったこと

  • 気にしすぎるあまり、少しの変化ももしかしたらと期待してしまい行動をセーブしてしまったこと。普段のままでいることで体の調子が整っているのに、変えてしまったことで逆に体調を崩してしまいました。(みーみさん)
  • フライング検査をして、真っ白でガッカリ…。一人で落ち込みます。(みきさん)
  • 数日経ったら陽性になるかも?と何度もやってしまい、結局ムダ遣いになるし、気持ちも落ち込みます。(すうさん)
  • 結果が陰性でも冷静に医師と話せるように妊娠判定日の朝にフライング検査をしようと思い、移植後に検査薬を購入。我慢できず予定よりも早くフライング検査をして陰性を確認し、薬を続けるモチベーションが下がってしまいました。(ほくほくさん)
  • SNS 検索をしたら感情の起伏が激しくなったりして疲れました。(とちさん)
  • ソワソワに拍車をかけてしまうとわかりつつ、不安になってYouTube やインスタなどでの検索をやめられないループで、時間ばかり過ぎてしまいました。(ゆうさん)
  • 検索魔になること。情報過多だし、妊娠超初期症状に当てはまっているにもかかわらず妊娠していなかったときの落胆が大きいから。(あすかさん)
  • 体調の変化についてネットで検索して、睡眠不足になりました。(きぃさん)

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