薫子さん(42歳)
現在、不妊治療中で採卵中です。
先日の採卵で、ホルモン値が今までと違う感じになったので、相談させていただきたいです。
D6でE2:682 LH:4.1だったのが、次の診察のD8でE2:625 LH:23.5になりました。
卵胞の個数もD2に7個あったのがD8には6個になり、採卵数は3個でした(穿刺卵胞数は6個だったのですが、空胞祭でした…)
前周期に卵胞の大きさを揃える目的でピルを服用していましたが、生理の出血がほとんどなく、レコベルの開始日が少量出血があった日をD1とすると、D8開始となりました(医院ではD8をD3に)
●E2が下がり、LHが極端に上がってしまったのはなぜでしょうか?
・準備周期中に、外科にて治療が必要な怪我をして2週間弱、抗生物質を服用していましたが関係ありますでしょうか?
・今回生理日調整が必要で、前投薬のピル(フリウェル)をいつもより長く、28日間服用しました。また、今年に入り胚移植、前投薬、採卵の周期でホルモン剤を服用しない日がほとんど無い状態です。こちらも関係ありますでしょうか?
●なにかリカバーする方法はなかったでしょうか?
井上先生に聞いてきました。
【医師監修】井上 朋子先生 大阪大学医学部卒業。平成11年カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員勤務。IVFなんばクリニック勤務、副院長。平成26年 HORACグランフロント大阪クリニック勤務、副院長。医学生の頃、帝王切開術での出産シーンに感動し、産婦人科医になることを選択しました。命の誕生と家族の喜びに関わることのできるこの仕事が大好きです。分かりやすい説明と、温かい診療を心がけています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
薫子さんは、排卵誘発の内容や卵胞発育についてよくご理解されていますね。治療に対して積極的な姿勢は素晴らしいと思います。薫子さんの今までの周期のパターンは分からないのですが、今回のご質問に対する私見を書かせてもらいます。
下垂体ホルモンの黄体形成ホルモンLHは、より上位の脳(視床下部)から分泌されるLH放出ホルモンLHRHによって分泌をコントロールされていますが、このLHRHがパルス状に分泌されるため、LHもパルス状に分泌されることが知られています。排卵時期に向けてだ
んだんパルスの頻度もその基礎値も上昇する傾向があります。月経周期の前半でLHサージが開始するには明らかに早い時期にLHが上昇していた場合には、たまたまLHパルスの時期にホルモン測定が重なったと解釈しています。
んだんパルスの頻度もその基礎値も上昇する傾向があります。月経周期の前半でLHサージが開始するには明らかに早い時期にLHが上昇していた場合には、たまたまLHパルスの時期にホルモン測定が重なったと解釈しています。
おそらく今回もそのような時期に採血をしたと考えて良いのではないでしょうか?E2は下がったというよりは横ばいであるように思います。周期ごとに卵胞の発育の仕方は少しずつ違いますので、そこが患者様にも私たちにも判断が難しいところです。
前周期のピル内服や抗生剤内服も一般的にはあまり関係ないと思いますが、ヒトの身体は機械とは違いますので、ストレスや体重増減などの体調変化が視床下部に影響することによりLHRH分泌に作用することも知られています。
前周期のピル内服や抗生剤内服も一般的にはあまり関係ないと思いますが、ヒトの身体は機械とは違いますので、ストレスや体重増減などの体調変化が視床下部に影響することによりLHRH分泌に作用することも知られています。
生理のパターンも前周期の薬やその時の体調で変化しやすので、医師が超音波検査などでレコベル開始日を判断したのであれば問題ないと思います。月経開始日はあくまでもいつから排卵誘発を開始するかの目安でしかないためです。