【Q&A】治療方針が変わらず焦りを感じています~北村先生【医師監修】

kakekoさん (40歳)
毎回hCGが途中で下がってしまいますが、病院では「着床までは進めているので染色体など卵の問題。地道に良い卵と出会えるまで採卵と移植を続けるしかない」と言われています。自分の問題なのではと考え始め、3月より漢方、鍼灸、腸活などをスタートしました。そのせいでは無いと思いますが、採卵が上手く行かなくなって来ました。余計な事をしてしまったのではないかと迷っています。また、漢方の先生に「3回採卵して上手くいかなければ転院も検討しては」と言われました。私は、PDCAを回すためには同じ病院に通院する方が良いと思い2年通っています。ですが最近は治療方針も変わらずに繰り返している状況です。治療内容が変わらない事に焦りを感じています。
別の治療をするなど他に手は無いのでしょうか。転院すれば別の治療となるのでしょうか。
転院メリットがあるなら教えてください。

北村 誠司 先生に聞いてみました。

【医師監修】明大前アートクリニック 北村 誠司 先生
1987年慶應義塾大学医学部卒業。2008年荻窪病院虹クリニックを開設。退職後、2018年明大前アートクリニックを開設。1989年からIVF及び内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消、改善を積極的に図って来ました。体外受精での妊娠困難症例に対しても新しい治療法を取り入れています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●着床しても途中でhCGが下がってしまうのは、染色体など受精卵の問題であることが多いのでしょうか?
着床してもHCGが下がってしまうのは、染色体を含む受精卵にトラブルがあることは大きな原因となりますそれ以外にも免疫の異常や着床障害の要素も原因となることがあります。
●「良い卵と出会えるまで採卵と移植を繰り返すしかない」とのことですが、良い卵と出会う方法としてどのようなことが考えらえますか? 

良い卵と出会う方法としては、可能な範囲で繰り返して卵を作ることや卵の作り方を変えることが考えられます。

●「採卵がうまくいかなくなってきた」のは漢方、鍼灸、腸活を始めたことが原因だと考えられますか? 
採卵がうまく行かなくなってきたのは、漢方、鍼灸、腸活が原因とは考えにくいです。
●治療方針が変わらないことに焦りを感じているそうです。先生ならどのような検査や治療を提案されますか? 
子宮内フローラ等の子宮内細菌叢検査は既に実施されているかもしれませんが、やっていなければ実施するのが良いと思います。着床しているのでERAは対象にはなり難い部分もありますが、自費診療も検討するのであれば実施しても良いと思います。
自費に切り替えて、採卵・PGT-Aを行うのは効果的だと思います。その場合は免疫検査も行って下さい。また、AMH 1.77 で採卵数が1~3個は少ないですね。ショート法やアンタゴニスト周期は試してみたでしょうか?
転院を考える時期や転院のメリットデメリットについて教えてください。
転院の時期は、治療方針に期待が持てない時が一つの目安になるかもしれません。転院のメリットは検査・治療方法で有効な物を試すことが出来るかもしれないこと、デメリットは新たな環境に慣れるのに負担が生じることではないでしょうか。
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