【Q&A】50歳の不妊治療について~浅田先生【医師監修】

あっきょんさん (50歳)
年齢やホルモン値、低AMHを鑑みて何ができるでしょうか。
このような状態でも治療をしてくれるクリニックはありますか?
能動的にできることをすべてやりたい、最も確率の高い治療をしたいと思っています。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

閉経が近付いてきたことを、質問者さんも自覚されていらっしゃいます。一般的に閉経の約10年前から妊娠できなくなります。51~52歳で閉経するなら、9年前の42~43歳くらいが自然妊娠の限界です。ただ生殖医療の様々な技術を使うことによって、高齢でもある程度妊娠できます。

当院では、基本的には50歳以上の女性の患者さんを受け入れていません。凍結している卵子も40代まで保管という方針です。当院にて最高齢で妊娠した方は48歳6ヶ月の卵子を用いて49歳で出産されました。日本全体の不妊治療の最高齢記録で、論文でも報告しています。

50歳でご自身の卵子で妊娠するというのはほとんど不可能であるということを、卵子の本質から考えていただきたいと思います。

世の中ではアンチエイジングと言って種々の商品が販売され、治療がなされていますが、卵子は生まれる前に一度だけ作られて、二度と作られない細胞です。そのような特殊な細胞のため、一生懸命取り組めば卵子ができるわけでも若返るわけではありません。

日本では認められていませんが、海外では高齢になると第三者の卵子提供を受けて治療する方もいらっしゃるようです。私自身は携わったことはありません。

50歳以上の出産はどのような場合でも命がけになります。生殖年齢を過ぎたと理解していただきたいと思います。
高齢でも治療できる施設もありますが、結果は出ていません。医学的・科学的ではなく、ビジネスとしてされています。ご注意ください。

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