【Q&A】多嚢胞性卵巣の妊活について~丸田先生【医師監修】

ず  さん(27歳)

妊娠希望の27歳(夫29歳)です。
婦人科で多嚢胞性卵巣と診断されていて、生理不順です。今まではノアルテンで生理を定期的に起こしていました。
薬を飲まないと生理前に少量の出血のようなものが長く続いてしまいます。自力で排卵が起こる時もたまにあります。LHが17.4あり少し高めの体質です。(FSHは7.1、プロゲステロンは0.1、エストラジオールは100です)
今回クロミッドを内服してタイミング法でいく予定ですが、排卵のタイミングがいまいちわかりません。
排卵検査薬は多嚢胞性卵巣の人は反応してしまうとのことで、使っていません。
基礎体温だけで判断する以外に方法はあるのでしょうか?
また、多嚢胞性卵巣を改善する方法はあるのでしょうか?
減量するといいという記事を見ましたが、肥満ではなく、細身体型なのでそれ以外で改善方法があれば教えていただきたいです。

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

多嚢胞性卵巣症候群(以下PCO)は日本人の10%に認められる比較的多い卵巣のタイプです。軽度の場合は排卵誘発剤で排卵まで至るケースが多いです。今回の症例ではLH17.4、FSH7.1のみで判断しますと、排卵が難しい状況ではないかと思います(LHが高い人の排卵検査薬は不正確です)。
排卵がポイントになりますが、排卵すれば妊娠の可能性があるかどうかの評価は重要です。つまり精子の状態、卵管の状態が問題なければ排卵にポイントを絞って治療戦略を考えればよいと思います。
その条件がそろっている前提でまずはクロミッドを試して、しっかり主治医に排卵の状態を確認することが重要です。それで排卵に至らなければ薬剤投与の種類や方法を再検討したほうがよいと思います。

多嚢胞性卵巣症候群の方が排卵検査薬を使わずに基礎体温以外で排卵を判断する方法はありますか?

PCOの方は、エコーや場合によってはホルモン検査を併用して排卵状態を正確に判断したほうがよいです。

②多嚢胞性卵巣症候群を改善する方法について教えてください。

PCOは体質改善に一定の効果があるとされていますが、現実には難しいと思います。
多嚢胞性卵巣症候群で不妊治療をする際の進め方や注意点を教えてください。
妊娠に必要な条件(精液状態、卵管の状態)がそろっていることが重要です。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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