【Q&A】体外受精移植回数を重ねる前にやっておいた方がいいこと~向田先生【医師監修】

もりさん(34歳)

通院でのタイミング4回、人工授精3回、体外受精5日目凍結胚盤胞3AB(AHA有)ホルモン補充、移植1回全て陰性。(体外受精hcg2.9)これまで一度も着床した事がありません。
子宮内膜9~11mm程度あり(人工授精、体外受精の移植時)
残りの凍結胚盤胞は5日目胚盤胞4BB、6日目胚盤胞5AA、5AB、3BBです。
子宮鏡検査、慢性子宮内膜炎検査は未実施です。
移植1回目が陰性だったため、子宮鏡検査をしたいと先生にお願いしたところ「子宮内フローラ検査(バリノス社)で問題がないため、子宮鏡の必要ない」と言われました。
念のため、通水検査を実施し「子宮内ポリープ(キノコ状のもの)は無いが、子宮内の左上に2.7mm×8.5mm、右下に6.7mm×4.8mm程度の山型隆起がある」と言われましたが、「(キノコ状)ポリープでは無ので取れない(問題ない)」と言われました。
子宮内フローラで問題がないため、子宮鏡をする必要がないそうですが、炎症が起きて着床を阻害している可能性はないのか、また、この子宮内の隆起したものが着床を阻害することはないのでしょうか?
ラクトフェリンとプロバイオティクスサプリメントを服用、膣剤として使用しています。
移植回数はまだ1回ですが、検査をせず移植回数を消費していくことにストレスがあります。
やっておいた方がいい検査があれば教えていただきたいです。
また、担当医とコミュニケーションが上手く取れず、転院も考えた事もあるのですが、貯卵があるため移送の費用や胚盤胞にかかる環境ストレスを考えると転院は難しいのかなと考えています。
これから移植を進めていく上で、この先の検査やアドバイスをお願いしたいです。

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク 向田哲 先生 高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

34歳、AMH;1.87は38歳の中央値と同じです。採卵数の記載がないのでどれだけの採卵数があったか不明ですが、D5;3ABの形態的評価の胚盤胞が得られているので、問題ないと思われます。

子宮内フローラ検査が正常であれば子宮内膜炎は否定的ですが、形態的な異常に関しては子宮鏡で直接確認するのも一つの選択肢で外来で簡単に侵襲も少なく可能なので行う意味はあると思います。「山型隆起」の確認も可能と思います。

ホルモン補充周期での移植で成功しなかったのであれば、自然周期で次の移植を試みてみるのも良いのではないでしょうか。

また、着床不全の原因は子宮内フローラの異常、子宮内膜炎以外にも免疫系の異常、凝固系の異常等も挙げられますが、どこまで検査をするかということです。抗リン脂質抗体症候群、自己免疫疾患、Th1/Th2、NK細胞活性等の検査を、1度の移植不成功で行うべきなのかということです。

また保険診療で治療中であれば検査の適応範囲も制限があり、仮に異常所見があったとしてもそれに対する治療が出来ない場合もあります。

34歳の初回の移植の妊娠の可能性は一般的に50%程度なので、前述した通り、子宮鏡を施行し確認後、排卵周期の融解移植を企画するのが適切と思われます。

検査はあくまでも検査で、時間とコストが掛かるだけ、結果が分かっても、次の移植に向けるのが適切との方針になると思います。

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