【Q&A】PGT-A正常胚を得るためには~高橋敬一先生【医師監修】

きういさん(42歳)

刺激方法や薬剤、トリガー時間、培養方法で正常胚率が変わるという論文やご意見を見た事があります。
どのように工夫すれば良いでしょうか?
正常胚の成功率を上げるために良好胚が得られる方法、もしくはPGT-Aに1つでも多く出せるよう胚盤胞立は高い方法を繰り返すべきでしょうか?
それともいろいろな方法を試すべきですか??
また、直近の採卵時にICSI後変性が増えてしまいました。(これまでの無し)
何が原因でしょうか?改善策があれば教えて下さい。

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
刺激方法や 薬剤などで正常胚率が変わるとの論文もありますが、実際には明確にはなっていないのです。
また個人ではどうしたら正常胚の率が上がるかも 誰にも分からないのです。
明確になっていればすべての医師がそのようにするでしょう。
遺伝子の正常胚率を上げる方法はなく、「質の高い胚を作るために工夫をしている」状況なのです。
現時点では、正常胚を得られるようにするには、「たくさんの卵子を採卵して、正常な胚が含まれる確率をあげる」との考えが優勢なのです。
したがって、今の方法で、卵子をたくさんとれているようなので、方針は間違っているとは言えません。
変性が増えた原因は残念ながら分かりません。
年齢も関係はしていますが、人間はいつも同じ状態ではないのです。
同じ事をしても、そのときの反応も異なりますし、採卵のタイミングや精子の状態、ICSIをする技術者、すべて異なるのですね。
年齢的には、5個に1個程度の正常胚であってもおかしくはないのです。
遺伝子的な正常胚の改善方法はありませんが、質を上げるための方法は様々試みられています。
亜鉛、銅、などの検査や、マルチビタミン、その他のサプリメントもあり得ます。

また、やせ過ぎだと思います。たんぱく質やコレステロールも検査していますか。
たんぱく質もしっかりとって、筋肉をつけて血流改善の運動も良いと思います。
精子は禁欲期間は短くしていますか?禁欲期間は必要ないのですね。
現状ではたくさんの卵子を得られており、サプリメントも十分とれていると思います。
方針は間違っていないと思いますので、迷う必要はないと思います。
頑張ってくださいね。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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