【Q&A】機能性不妊について~吉田仁秋先生

えみさん(31歳)

妻31歳、夫33歳です。
結婚して4年目、不妊治療3年です。
1年間タイミング法→人工授精6回→体外受精と、顕微授精のスプリット法で2回移植しましたが1度目は化学流産、2度目は陰性でした。
今回は、21個の卵が取れて胚盤胞まで育ったのは1つで5ABの卵でした。
毎回グレードはそこまで悪くないのですが後半の伸びが悪いと言われます。
今回の移植の前に子宮鏡検査をして、少し内膜炎があったため膣剤で子宮内フローラを整えてから移植しました。
私は、甲状腺機能低下症でチラージン50μを飲んでますがなかなか数値が安定せずTSH3.460でした。こちらも、関係があるのでしょうか?
夫婦ともに機能性不全と言われていますが、今後どの様に治療を進めていくのが良いと思われますか?
また、機能性不全不妊で何を頑張れば良いのかわかりません。食事、運動は頑張ってます。

吉田先生にお聞きしました。

監修 仙台ARTクリニック 吉田仁秋 先生
独協医科大学卒業。東北大学医学部産婦人科学教室入局、不妊・体外 受精チーム研究室へ。米国マイアミ大学留学後、竹田綜合病院産婦人科 部長、東北公済病院医長を経て、吉田レディースクリニックを開設。2016 年1月に「仙台ARTクリニック」として移転・リニューアルオープン。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
■採卵数が21個、胚盤胞に達した胚が1個という数字をみて、どう思われますか?

誘発法が連日注射で沢山卵採取できているのですが、胚盤胞1個のみというのは少ないと考えられ、誘発法を変更して低刺激などのよりマイルドな刺激にて質の高い卵採取がbetterと考えます。

■胚盤胞到達率が低い理由として、どんなことが考えられるでしょうか?

様々な要因が考えられますが、第一に誘発法、採卵された卵の質の問題、染色体異常卵が含まれている可能性、培養環境、精子側の問題等々様々なチェックポイントが考えられますが、先ず誘発法の工夫が必要と思われます。

■胚盤胞が育ちにくいことと、甲状腺機能異常に関連はありますか?

胚盤胞到達と甲状腺との関連は不明と思われますが、甲状腺機能低下症例では胚発育機能不全が紹介されています。

TSHが2.5以上では妊娠後流産率が上昇する可能性が報告されているため、TSHも改善しておく方が良いと考えます。

■採卵・胚移植は、TSHの数字が安定した段階で行う方が良いでしょうか?

できればTSHが安定してから行うのが良いと考えますが、特に胚移植は必ずTSHの正常化が前述の如く必要だと考えます。
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