No さん(25 歳)
人工授精の結果によって、採卵と凍結胚移植を予定しています。妊娠しやすい胚盤胞のグレードは6AA と思いきや、4AB だとネットで知りました。それが本当であれば、なぜ6AA よりも4AB の妊娠率が高いのか教えてください。
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992 年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は9,300 件を超える。
宇津宮先生●胚盤胞のグレードはガードナー分類で、(1)胚盤胞の成長度、(2)赤ちゃんになる細胞数、(3)胎盤になる細胞数を評価します。
一般的に(1)が3〜4以上で(2)(3)がA またはB であれば、妊娠率は高くなります。「6AA」と「4AB」であれば、「6AA」を先に移植すると思います。
ただ、妊娠率が高いとされるグレードの胚盤胞でも、染色体が正常な確率は約25% ですから、今後、PGT-A(着床前診断)が重要になってくると思います。
No さんはまだ若く、多囊胞性卵巣症候群はありますが、排卵誘発する時の卵巣過剰刺激症候群や、妊娠後の合併症などに気をつけて治療されると、2人目、3人目も期待できると思います。