ももさん(44 歳)
子宮腺筋症の治療を行わず、顕微授精を続けています。一度流産してから着床しません。他院で相談すると内服薬で月経を半年間止め、病巣を小さくして移植する方法を提案されました。不妊治療を休んで、この治療を受けるか悩んでいます。
高崎ARTクリニック 久保 祐子 先生 群馬大学医学部卒業。群馬大学医学部附属病院、さいたま赤十字病院、群馬県立小児医療センターなど勤務を経て、高崎ARTクリニックの院長に就任。生殖医療専門医。「患者さまに寄り添った診療」をすることを第一に、妊娠への期待や不安などすべてを受け止め、心も体もサポート。
久保先生●ももさんは、一度妊娠しているので、子宮腺筋症は軽度で、着床不全の原因ではないと思います。ただ、徐々に病巣が悪化して、着床の原因になっている可能性は否定できません。
重度の症状がなければ、治療は両立できます。腺筋症は薬物治療、手術治療とも約半年間、不妊治療できませんが、その前に採卵して受精卵を凍結することは可能です。腺筋症の治療後すぐに良好胚を移植すれば、時間の経過で妊孕能が失われる心配は軽減できるでしょう。妊娠で一番大事なのは胚の質。そこは期待して頑張るしかないですが、着床環境を変えることはできます。薬物治療に踏み切るかどうかは主治医と相談し、納得のいく選択をしてください。