妊娠率を上げるには1個移植と2個移植どちらがいいの?
凍結初期胚の1個移植と2個移植で迷われているそうです。
石原先生● 4回の新鮮胚移植がうまくいっていないので、4つの凍結初期胚を2個ずつ移植するのがいいと思います。もちろん双子になる可能性はありますが、1個移植よりも妊娠率は高くなります。また、保険診療では1個移植も2個移植も移植回数は1回とみなされます。
まめさんは、新鮮胚よりも凍結胚が合っているのでしょうか?
石原先生●当院では新鮮胚で妊娠する方もたくさんいらっしゃいます。ホルモン値が安定し、卵巣過剰刺激症候群などの心配がなければ新鮮胚も有効です。
まめさんは新鮮胚で着床していませんから、凍結胚がいいと思います。新鮮胚移植は採卵周期に行うので、たとえば卵巣刺激のお薬が影響し、採卵の時に黄体ホルモン値が高い状態だと、着床率は下がります。このような場合は胚を凍結し、子宮内膜やホルモン状態を自然な状態に近づけて移植するのが望ましいです。
移植前におすすめの検査はありますか?
石原先生●着床不全検査がまだでしたらおすすめします。検査項目は施設により少し違います。当院は子宮鏡検査をはじめ、慢性子宮内膜炎、血液凝固異常、Th1 / Th2 比、ビタミンD 欠乏症、甲状腺異常などを調べます。着床がうまくいかない場合は、複合的な要因が見つかることがあります。移植前に治療すれば妊娠につながる方も多くおられます。
今後の治療について、アドバイスを。
石原先生●まめさんは不妊治療を3〜4年されていて、妊娠までに時間がかかっていますね。年齢が高くなると1回の胚移植あたりの妊娠率は低くなるので、それも一つの要因だと思います。
一般的に30代後半の方の保険診療では、「良好胚盤胞を目指しましょう」とお伝えしています。まめさんも着床不全検査を行い、残りの凍結胚を移植して妊娠につながらない時は、再び採卵になります。AMH1・ 28ng/mlであれば、高刺激で良好胚盤胞を目指すことも可能です。また、年齢が高いことや反復着床不全であることを踏まえると、最終的に着床前胚染色体異数性検査(PGT -A)を視野に入れてもいい時期です。十分なカウンセリングを受け、メリットとリスクを確認して検討してください。あとは食事、運動、睡眠です。サプリメントの服用と体調のバランスなどによって、採卵や移植がうまくいく周期もあります。「これが最後の移植です」といって妊娠する方もいますので、まだ可能性はあります。