【Q&A】流産、転院~政井先生

まりちゃんさん(29歳)

2021.9 採卵、卵子5個→受精卵3個 初期胚移植 → 陰性
10.11 胚盤胞移植 → 陰性
子宮鏡→ 問題なし
ERA検査 → 1日ズレ
2022.2 採卵、卵子4個→ 受精卵1個(胚盤胞凍結)
2022.4 ホルモン補充、移植5aa →B㼀9.hcg32.6 5w4d 流産、自然排出
2022.6 採卵、卵子5個→受精卵3個(胚盤胞凍結)
2022.8 ホルモン補充、移植→陰性
2022.9 ホルモン補充、移植→B㼀8,hcg3.6 化学流産
2022.12 ホルモン補充、移植→B㼀7.hcg14.5 B㼀17日目→胎嚢確認、4.8mm 6w5d流産宣告、7w6d流産手術
19歳の時に男子をシングルマザーで出産しています。25歳で結婚し、28歳で不妊治療を始めました。旦那はイク感覚はあるが精液が出ません。その為、tese.mese手術行いました。運動率0%。かろうじて動いている精子を使ってもらっています。胚盤胞移植2回陰性後、ERA検査行いました。1日ズレがあり。1日早く移植しましたが、BD9日目でhcg32。5w4dで出血し、流産に
なりました。その後も妊娠するが化学流産。これを期に不育症検査し、血栓が出来やすいとの結果。去年12月に移植し、移植後アスピリン服用。BD7日目でhcg14.5低hcg。6w2d心拍、胎芽確認できず。7wでも胎嚢のみで心拍確認できず。1月末に流産手術をし、絨毛検査結果待ちです。
移植した胚盤胞は全て良好胚です。
今のクリニックで胚盤胞移植6回やりましたが、3回の陰性。妊娠するも低hcgで流産。転院するかも迷っています。
流産しない為に出来る事はなにかありますか?
2個移植も視野にいれています。
旦那との子供を産めるのかなと自身がなくなってきています。
私は他に何か検査をした方がいいでしょうか?

政井先生にお聞きしました。

佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
ERA検査後、流産や化学流産にはなっていますが、これまで着床しなかったものが着床までは進めているので、検査自体は有効(移植のタイミングはERA後のタイミングでOK)だったと思われます。
そうすると後は胚側の要因(赤ちゃんまで育つ胚かどうか)になってきます。
相談者様の年齢やこれまでの出産歴(前夫)を考えると、現パートナーの精子側の要因は多少なりとも考えられると思われます。
TESEやMESAで回収した精子でも実際に妊娠出産されている方は多数いますので、これらの手技自体の問題というよりはもともとの精子自体の質の問題によるところだろうと思います。
まず差し当たっては、パートナーの生活習慣の改善(禁煙、食生活、睡眠、ストレスなど)に取り組めるようであれば取り組んでいただき、精子自体の質の改善を目指すというのは第1歩かと思われます。
その上で施設を変わってさらに採卵にチャレンジするようであれば、ぜひPGT-Aが可能な施設での採卵を検討された方がよいかと思います。
相談者様のこれまでの経緯(反復流産、化学流産)を考えるとPGT-Aの明らかな適応としてよいと思われます。
受精卵の染色体異数性を事前に調べることで、流産する可能性の高い胚を予め除外することができます。つまり、移植あたりの流産の可能性を減らせます。
逆に、もしPGT-Aまで検討されないということであれば、現在の施設さんで無理なく治療が行えている状況でしたら現在行っている治療はかなり妥当な内容だと思います。(少なくとも、胚盤胞がしっかり確保できており、着床は出来ている)

あとは胚の問題ですが、ここにアプローチできる検査は現状ではPGT-Aのみです。
PGT-Aを検討される場合は可能な施設へ、検討されない場合は今の施設さんでもしっかりした治療をしていただいているという風には思います。
ただ、もちろん施設の方針や先生との相性など、施設変更を検討される要因は他にもあると思いますので、今の施設の方針に自身が納得しているかどうか、そこが決め手になると思います。
不妊治療はやはり全ての過程で納得感が重要だと思います。
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