40 代からの不妊治療で大切なこと

楽しく過ごせば、妊娠できる。先生の励ましで頑張れました。

女優・加藤貴子さんは40代で2人の男の子を出産されました。彼女を支えたのがウィメンズクリニック神野の神野正雄先生。どのように治療を進めていったのか、当時を振り返って対談していただきました。

女優 加藤貴子さん 1970 年静岡県生まれ。95 年より女優として活動。TBS 系ドラマ「温泉へ行こう」シリーズの主演をはじめ、数々のドラマや映画に出演。2013 年一般男性と結婚。14 年11 月に第一子、17 年8 月に第二子を出産。
ウィメンズクリニック神野 院長 神野正雄先生 1983 年に体外受精を学んで以来40年間、その素晴らしい有効性に魅せられ、臨床と研究にまい進。これまでに9000 人以上の体外受精・顕微授精を行う。慶應義塾大学医学部産婦人科、杏林大学医学部産婦人科などを経て2002 年開業。

焦る必要はないけど、のんびりできなかった

加藤さん ちょうど10年前の11月に初めて先生のクリニックを訪れました。42歳の時です。

神野先生 40代で、当時とても痩せておられたので決して安易な状況ではありませんでした。でも、加藤さんは明るくてエネルギッシュ。お会いした時から私自身は希望をもっていました。陽気で明るい人のほうが妊娠する傾向があるので。

加藤さん そうだったんですね。私は初診の時、「42歳なのでもう始めましょう。焦る必要はないけど、のんびりはしてられないからね」と先生にピシッと言っていただいて、気持ちが引き締まったのを覚えています。それとポロッと「卵子の老化を止める薬はまだ世の中にないんだよ」とおっしゃった(笑)。現実を突きつけられ、グサッときました。

神野先生 40代は1年で30代の4年分妊娠能力が落ちるんです。もたもたしていると間に合わないことをちゃんと伝えたくて。年齢だけでなくご主人の男性不妊もありましたしね。

不妊は不健康な生活も原因。生活習慣の改善は重要

加藤さん 最初に先生が「人工授精は、ご主人の男性不妊のレベルを考えると有効と考えられないので、一回の排卵を無駄にするからやめましょう」と言われて顕微授精一択に。「治療法は僕が考えて頑張る。加藤さんは生活習慣を改善してください」という先生の言葉はとても心強かったです。

神野先生 不妊は糖尿病を含むインスリン抵抗性症候群の一つで、不健康の初発症状と言えます。これを治すには生活習慣の改善と糖代謝治療が重要。そのため、いつも患者さんにお願いしている生活改善7項目を加藤さんにもお伝えしました。

①毎日45 ~60分間、朝歩く

②BMI値が19~23になるように体重を適正化

③ストレスをなくし楽しく過ごす

④夜10時~11時に就寝、朝6~7時に起床し、7~8時間寝る

⑤飲酒の間隔は3日以上空ける

⑥絶対にタバコは吸わない(男性も)

⑦新鮮な食材で偏りのない食事を3食摂る

加藤さん 生活が不規則だったので最初に④は難しいと思い、先生に相談しました。そしたら「7項目のどれも重要で、どうしてもしなくてはなりません。まずは、どんなに寝るのが遅くても朝は必ず同じ時間に起きて、太陽の光を浴びることから始めてください」と。お陰で体のリズムが整い、3カ月ほど経った頃からぐっすり眠れるようになりました。

神野先生 加藤さんは頑張り屋だから全部続けてくれました。体重も増やしてくれました。

加藤さん 毎日1時間歩くのは慣れるまで嫌でしたけどね(笑)。それ以上に難関だったのは③のストレスなく楽しく過ごす。さすがに流産した時はそうは思えなくて。

神野先生 それでも、ハッピーなんだと脳に思い込ませることが大事なんです。

加藤さん そう。先生が「笑っていましょう。楽しく過ごせば、絶対、加藤さんは妊娠できるから」と顔を合わせるたびに励ましてくれたので、私も次第に自分の力を信じるようになっていきました。

神野先生 AMHの数値、卵巣の大きさから肉体的なポテンシャルはあると考えていましたから。でも、肉体面以上に大事なのが精神面。15分でもマイナスの感情をもつとインスリン感受性が下がるという研究結果があります。それほど精神的なものが体に及ぼす影響は大きいんです。何十年もこの仕事をやってきているけれど、一番大事なのは本人の心だと常に実感しています。

40代の妊活は自分を信じ、医療の力に頼ることが大切

加藤さん 通院中は、先生や看護師長をはじめ、クリニックの方々に本当に心身両面から支えてもらいました。お陰で44歳で第一子、46歳で第二子を授かりました。

神野先生 できるだけ若いうちに子どもをつくろうと努力をしたほうがいいですが、40代だからといって諦める必要はありません。ただ、自分たちだけでの努力では難しいことが多いので、加藤さんのように私たち不妊治療のプロに頼ってほしいですね。

加藤さん 仕事など何らかの事情があって不妊治療の開始が40代になってしまった方などは後悔の念に苛まれることなく、、今こそが自分のタイミングだと信じてトライしてほしいなと思います。ただ、20代30代よりも一人ひとりに合ったベストな治療法を考えてくれるドクターとの出会いが重要。クリニックの説明会などに参加してどの先生と相性が良さそうか、どのような技術と経験と知見をもっているかを見極めてクリニックを選んでほしいなと思います。

神野先生 卵子の個数が少なくてもがっかりする必要はありません。良質の卵子一つあれば、赤ちゃんはできます。量より質が大事なのでそのためにも、先ほどの生活習慣改善のための7項目を実践してもらえたらと思います。

>全記事がドクター編集!

全記事がドクター編集!

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。