【Q&A】体外受精、内膜が育たないままの移植~高橋敬一先生

たけさん(38歳)

約1年のタイミング法を経て、保険適用で体外受精に挑戦中です。
今まで2回ホルモン補充で移植しましたが、両方とも内膜が育たず、病院の方針で内膜4〜5mmのまま胚盤胞移植、結果は陰性で血液検査でも着床の兆しすらありません。
ホルモン補充はエストラーナテープ4枚隔日、エストロジェル毎日6プッシュ塗布、ジュリナ錠朝昼3錠です。
元々採卵でも中刺激、高刺激とも卵が2〜3つしか取れず、胚盤胞になるのは1つのみ。移植失敗のたびに採卵からしなければならず時間がかかってしまいます。
病院からは「保険診療なのでやり方は一切変えられず、同じ方法で繰り返しやるしかない」と言われているのですが、内膜が育たないまま同じ治療をしていて意味はあるのかと、前向きに考えられません。
鍼灸やサプリや漢方など自分で出来ることは試しておりますが、このまま同じ事を繰り返す事も、年齢の事もあって焦る気持ちばかりが募ります。
言われた通り繰り返し数をこなしてくしかないのか、保険診療は諦めて自由診療に切り替えた方が良いのか、保険診療でも転院したら改善策はあるのか悩んでいます。

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください 
子宮内膜がなかなか厚くならずにお困りのことと思います。
子宮内膜が薄い場合、まず子宮内腔が小さい場合には内膜は薄くなる傾向があります。その場合にはあまり不安にならずに胚移植しても良いと思います。
ただし、その場合でも、最低6mmを目安にしたいところです。
一方、これ以下でも妊娠する可能性がありますので、ホルモンの補充量は十分ですので、今の方針が間違っているとも言えません。
内膜への対策としては、まずは子宮鏡で子宮内腔癒着がないことは確認していますでしょうか。
次に、保険診療としては、
自然周期を試す、サプリメントとして、①ビタミンE、②ビタミンCを多めにとる、③アルギニンなどがあり得ます。
自費としての対策としては、①バイアスピリン、②バイアグラ膣錠 などがあり得ます。

一方、AMHの値に対して、採卵数が少ないことも気になります。
AMHの再検査とDHEAsの検査、などもおこない、排卵誘発の方法の変更も考えても良いと思います。
保険診療でも、おこなえる事は一つではないので、今までとは異なる方法を試しても良いと思いますよ。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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