プロラクチン値が高いと体外受精に影響がありますか?
プロラクチン値が高いと体外受精に悪い影響があるのでしょうか。
大島先生●先月測ったプロラクチン値が31ng/mlだったとのこと。一般的に30ng/ml以上が高値といわれており、確かにそれを超えていますが、心配されるほどの状況ではないと思いますね。
プロラクチン値は常に一定ではなく、ちょっとしたことで変化します。黄体期や排卵期には上昇しますし、血糖値のように食後30分以内は2倍くらいになるそうです。睡眠中やちょっと走るだけで上がってしまうことも。50ng/ml以上になったら明らかに高く対処が必要だと思いますが、この方くらいの数値であれば薬も必要ないのでは。
高プロラクチン血症だと排卵障害を引き起こすことがあるので、自然妊娠を望まれるのならコントロールしていかなければなりませんが、体外受精でHCGを注射して採卵をする場合には、プロラクチンが高くてもそれほど影響はないと思います。
排卵障害により卵胞が残り、移植がキャンセルになってしまうことが心配のようです。
大島先生●遺残卵胞の有無は生理の時に確認します。生理中の卵胞といのはだいたい5mmくらい。それより多少大きくても8~9mm以下だったら大丈夫だと思います。
ホルモン補充周期か、自然排卵周期か、移植の時はどのようなやり方で戻す予定なのでしょうか。遺残卵胞がない場合、そこからタイミングが合えばホルモン補充周期で20日目に戻すケースが多いですね。
遺残卵胞があってホルモン補充周期で戻せない場合はとりあえず自然周期で排卵するまで待って移植する。まずは生理中に卵胞の状態をチェックしてから戻し方を決めていくと思います。
この方は海外で体外受精を行っているとのこと。これまでの治療経過を見てどう思われますか。
大島先生●不妊原因は不明で、EMMAやALICE、PGT -Aなど高度な検査もすでに受けられているようですね。新鮮胚移植でトライして1回失敗されていますが、着床に関する検査では異常は認められず、正常胚も6個凍結済みとのこと。年齢もまだ34歳で妊娠のチャンスは十分にあると思いますね。
日本での治療ならこの段階でこれほどたくさんの検査はしないのでは。条件は決して悪くないので、とにかく残りの胚の移植を進めていかれたほうがいいと思います。