【Q&A】不妊治療による女性疾患の罹患率と内膜検査の確度について~宇津宮先生

たかぽんさん(31歳) 私の妻も不妊治療中に女性疾患(子宮内膜異型増殖症)になったこともあり、不妊治療でホルモンをコントロールするため不妊治療中の女性と不妊治療の必要がない女性との間に女性疾患の罹患率に差があるのではと思い、自分なりに調べてみました。
しかし、論文なり書籍なりを見つけることができませんでした。
子宮内膜の検査についての質問です。
子宮内膜の細胞診や組織診で検査される場合の確度はどの程度なのでしょうか。
上述は妻が子宮内膜異型増殖症と診断されるまでに
・TORIO検査+CD138細胞検査:内膜増殖症の範疇(悪性なし)、CD138が3個(400倍視野)
2か月後に
・CD138細胞検査:悪性所見は認めない、CD138が8個(400倍視野)
さらに2か月後
・CD138細胞検査:子宮内膜異型増殖症、前回の検査結果を再度検討した結果子宮内膜増殖症の可能性あり
と経過を経ております。
細胞のため各々の診断を下すことは非常に難しいことだとは思いますが、前回の検査結果を後の検査結果を基に覆すようなことは頻繁にあることなのでしょうか。
1回目の検査結果の時は特に無く、経過観察でした。
主治医(通院先のドクター)に聞きづらく、第三者の見解を知りたいと思います。

宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ご質問の件ですが、PCOでは内膜癌の頻度が高くなります。(糖尿病も注意すべきです)

内膜細胞診では1回で決定できるほど確かではなく内膜診で疑いがあれば内膜全面掻把診をして決定します。

今回は子宮内膜炎の診断を中心に検査しているので決定的な診断はできていないようです。

心配なら主治医に内膜癌の診断を目的にして検査をお願いしましょう。

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