ヒューナーテストの検査タイミングに疑問。再検査を迷っています
ちぇるしーさん(33歳)ヒューナーテストの精子数が、前周期は8 個中4 個で「可」の判定。今周期は27 個中0 個で、抗精子抗体検査を提案されています。ヒューナーテストについて腑に落ちない点があります。2回とも土曜の夕方頃に排卵し、日曜の夜にタイミングをとり、月曜にクリニックで判定でした。排卵前や排卵日の「のびおり(伸びるおりもの)」が出ている時期ではなく、頸管粘液が少ない排卵後に行ったことが気になります。ステップアップの前に再検査をお願いするべきでしょうか。
久保みずきレディースクリニック 石原 尚徳 先生 高知大学医学部卒業後、神戸大学医学部大学院修了。医学博士。兵庫県立成人病センター、兵庫県立こども病院の勤務を経て、2008 年より久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所勤務。不妊治療から周産期・小児医療まで、地域に根ざした総合的なサポート体制が整う同クリニックで、不妊治療/婦人科、産科を担当する。
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今周期のヒューナーテストは精子がゼロだったそうです。検査時期に問題があったのでしょうか?
石原先生●一般的に結果が思わしくない理由として、「精子」「子宮頸管」「検査時期」の3つの問題が考えられます。ちぇるしーさんは精子に問題はなく、排卵後の頸管粘液が減少している自覚もあるので、おそらく問題ないでしょう。そうすると検査時期の可能性が高いです。2回とも排卵後の検査であれば、排卵後に出る黄体ホルモンの影響により、頸管粘液が減少します。検査時期としては遅かったかなと思います。
ベストな検査時期を教えてください。
石原先生●通常は排卵直前にタイミングをとり、排卵前に検査を行います。ただ、頸管粘液の分泌には個人差があり、排卵の数日〜1週間前から出る人と、直前まで出ない人もいます。排卵直前まで「のびおり」が出ない人は、ピンポイントでタイミングをとる必要があります。
欧米では、ヒューナーテストは時期的な問題や評価が難しいという理由で、不妊検査として推奨されていません。日本でもさまざまな意見がありますが、当院は必ず1回は検査を行っています。頸管粘液に運動精子が多くいれば、安心材料になります。一方、自然排卵では検査結果が良くても、クロミフェンなどの排卵誘発剤を使うと頸管粘液が減少し、検査結果に影響します。この場合は治療による変化を見ていく必要があります。
再検査についてどう思われますか?
石原先生●前周期は運動精子が少なくとも1個はいて、今周期は明らかに排卵後の検査なのであれば、再検査の必要はないと思います。もちろん、ご自身が納得するために気軽に再検査をお願いしてもいいと思います。ヒューナーテストはご主人側のタイミングもありますので、ちぇるしーさんの通院が可能なら、頸管粘液検査で排卵直前の頸管粘液を確認するのも一つでしょう。
人工授精や体外受精へのステップアップも考えられているようです。
石原先生●結婚後の4年間にタイミングはとられていたと思います。不妊期間が長いほど、一般不妊治療での妊娠は難しくなります。精子に問題がなければ、それ以外の原因が隠れているかもしれません。抗精子抗体検査も受けておくといいと思います。強い陽性なら体外受精の適応になりますが、陰性なら安心です。いきなり体外受精はハードルが高いと思いますので、人工授精を視野に入れて妊娠を目指しましょう。人工授精をしながら、タイミングをとることもできます。