解熱鎮痛効果があるとされる「柳葉」と、冷え性や生理痛を軽減するといわれる「松こぶ」。これからの季節に役立つ自然の成分をご紹介します。
柳の樹皮や葉は自然の解熱鎮痛薬
柳は古くから解熱鎮痛薬として用いられてきました。解熱鎮痛薬として世界中で幅広く使われている「アスピリン」は、もともと柳の樹皮から抽出したサリチル酸をヒントに合成されたものです。
日本の爪楊枝は楊柳と呼ばれる柳の枝から作られたもので、「柳で作った楊枝を使うと歯がうずかない」という伝承があります。これは、柳の樹皮や葉にサリチル酸の鎮痛・抗炎症作用があるからなのです。
世界でも古代ギリシャ・ローマの時代から、葉の裏が白い柳の樹皮に解熱作用があることが知られていました。紀元前に活躍し、のちに「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスは、柳の葉に鎮痛作用があることを著書で述べています。
これから感染症が増える季節に、自然の力で解熱鎮痛効果が期待できるのであれば、ぜひ取り入れてみたいものです。柳を煎じて飲むのはとても苦いといわれていますが、特に妊活中の方で薬を飲むのに抵抗がある方は、上手に取り入れるといいのではないでしょうか。
生理痛や冷え、不眠など女性の悩みに対応する松こぶ
もう一つ、この季節におすすめの漢方に松こぶから作られた「松節(しょうせつ)」があります。ポリフェノールが多く含まれる松節には、セロトニンを増加させ、ビタミンCやビタミンEより強力な抗酸化作用があることがハーバード大学のシュウ博士の研究でわかっています。セロトニンは幸せホルモンともいわれ、冷え性や生理痛、偏頭痛の軽減が期待できます。睡眠ホルモンのメラトニンも増加するので、睡眠の質も高まります。松節は多くの女性が抱えている痛み・冷え・ストレスを、体の治癒力を高めて改善してくれます。