前置胎盤と低て い ち 置胎盤について 青葉レディースクリニック 小松先生の プレママ教室第7回

前置胎盤とは、胎盤が正常の位置よりも低い位置、すなわち子宮の出口(= 内子宮口) 付近で、育っている病気です(イラスト参照)。通常の出産では、胎盤は赤ちゃんが産まれた後に出てきますが、本症では胎盤が内子宮口そのものを覆ってしまっているため、100%帝王切開分娩になります。
一方、低置胎盤では、出血に注意しながら、通常の経腟分娩が可能な場合もあります。

出典:ラシゴーニュTV

青葉レディースクリニック 小松 一 先生 高知県出身。1995 年九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センターや北九州市立医療センター、九州厚生年金病院などで研鑽を重ね、2007 年に「青葉レディースクリニック」を開業。高齢出産を多く手がけており、安心できる分娩をモットーにしている。

●前置胎盤の原因はなんでしょうか?

小松先生●受精卵が子宮の低い位置の子宮内膜に着床すると胎盤の位置が低くなると考えられています。高齢妊娠、喫煙者、多産婦、双胎、過去に中絶や流産の手術を受けたことがある、体外受精で妊娠した、などの方では子宮内膜が薄くて、受精卵との接着が不良で、子宮の低い位置に着床するのではないかと考えられています。

●診断はどうするのでしょうか?

小松先生●必ず、経腟超音波検査で、胎盤の位置を確認します。たとえ、妊娠初期に胎盤の位置が低くて、「前置胎盤」や「低置胎盤」と診断されても 妊娠が進み、子宮が大きくなると胎盤が徐々に子宮の上方に移動し、ほとんどの場合は正常位置に戻ります。
 ですから、妊娠後期までは、過度に心配する必要はありませんが、性交渉や運動、便秘で強くいきむなどの行動は控えてください。
 一方、妊娠32週頃に「前置胎盤」と最終診断を受けた場合は、もう胎盤が上がることはありませんので、手術に備えて、適切な診療を受けてください。

●治療はどうするのでしょうか?

小松先生●子宮収縮の自覚がなく、突然、胎盤付近から、真っ赤な出血が大量に出てきます。
 これを「警告出血」といいますが、出血が止まらなければ、そのまま治療的早産=予定外の緊急帝王切開術になることも多く、早めに自分の血液を貯血(自己血貯血)して、輸血の準備も始めます。前置胎盤では子宮壁と強固に癒着していて、子宮を摘出しないといけない場合もありますが、医療を信じて、ベストを尽くしましょう。
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