妊娠したものの2 回続けて初期流産。
低BMIは不妊の原因?

相談者 : ココロさん(34歳)32 歳の時、人工授精2 回目で妊娠し、7 週で初期流産。翌年33 歳で採卵し、3 回目の胚移植で妊娠するも9 週目で初期流産。最初の流産後、不育症検査を受け、異常なし。この時、夫婦染色体検査は受けていません。夫は精子奇形症、精子無力症と診断されています。しかし、男性不妊の治療はしていません。私は体型がやせ型で冷え性です。日頃の運動習慣もありません。BMI が低いことや運動不足も不妊につながるのでしょうか。体重や筋肉量を増やす努力も必要でしょうか。
いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」。
流産を2回繰り返されています。今後、受けたほうがいい検査や、治療方針について教えてください。
稲垣先生●流産を繰り返しておつらい思いをされたことでしょう。それでも一生懸命、治療に取り組んでいらっしゃる様子がうかがえます。これまでの不育症検査でココロさんは異常なしということですが、気になるのはご主人の症状と所見の詳細です。
 不育症の主な原因のうち、ココロさんは抗リン脂質抗体、子宮形態、内分泌検査で異常無しとのことですから、まだ受けていない、ご夫婦の染色体検査を行う意味は大きいと思います。
ご主人は、男性不妊の積極的な治療はされていないとのこと。先生ならどのようなアドバイスをされますか。
稲垣先生●不妊治療はなんといってもご夫婦の共同作業です。お二人の間に温度差があると、いくら女性が努力しても、なかなか良い結果が得られません。次の採卵の前に、ぜひご主人に男性不妊に関する精密検査を受けていただきたいですね。
 それで不妊につながる原因がわかれば積極的に治療を行い、併せて夫婦染色体検査も受けるといいでしょう。
 また2回以上の流産は、PGT -A検査の対象になります。PGT -A 検査は体外受精によって得られた胚の染色体数を、移植する前に調べる検査です。移植前に胚の染色体数を評価し、異数性の胚盤胞があった場合には、移植から外すことで流産のリスクが減ることが期待されます。さらに染色体に異常がない胚を移植できれば、妊娠率の向上が期待できます。
 凍結胚でこの検査を行うと受精卵へのダメージが大きいのですが、ココロさんは、次の妊活は新たな採卵からスタートされるというので、この検査はぜひおすすめしたいです。
BMI 数値の改善は、積極的に取り組むほうがいいのでしょうか。
稲垣先生●ココロさんは確かにやせ型ですが、体重や筋肉量を増やすことが妊娠率の向上につながるとは言い切れません。もちろん、栄養バランスと適度な運動で標準数値に近づけるのは好ましいことです。ただ、それよりもっと優先してほしいのは、ご夫婦で不妊の原因を詳しく調べて、次の採卵を無事出産につなげるように適切な検査、治療を行っていただくことです。
 ココロさんとご主人が気持ちをひとつにして、前向きに治療に臨んでくださるよう、願っています。
>全記事がドクター編集!

全記事がドクター編集!

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。