子宮内フローラ検査について

子宮内フローラ検査と子宮鏡検査、どちらを優先させるべき?

相談者 : 大ちゃんさん(36歳)不妊原因は多囊胞性卵巣症候群体外受精で移植2 回着床せず、子宮内フローラ検査を提案されましたが、抗菌薬服用でも改善しない人がいると説明を受け、私自身も薬の制限があります。また、7~8カ月前の子宮鏡検査でマイクロポリープが見つかり切除しましたが、病理検査や抗菌薬の服用はなし。再度受ける必要があるならフローラ検査と子宮鏡検査のどちらを優先すべきか、フローラ検査後に凍結胚移植か転院して採卵から始めるか、いろいろ悩み中です。
空の森KYUSHU 中島 章 先生 鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院産婦人科、国立成育医療センター周産期診療部不妊診療科(現・国立成育医療研究センター)などを経て、空の森CLINIC(沖縄県)立ち上げより参加。2022 年4 月、地元久留米市に空の森KYUSHU 開院、院長就任。サッカー観戦が趣味で、特にアビスパ福岡を応援しているそう。
相談内容や検査データを見て、どのような印象をもたれましたか?
中島先生●データだけを見ると、大ちゃんさんはとても妊娠しやすいはずだという印象です。年齢的にもまだ余裕があり、AMHの数値も高い。沖縄本院を例にすると、多囊胞性卵巣症候群で卵巣刺激に高反応な患者さんは、採卵周期あたりの妊娠・出産率95%と非常に高いので、なぜ、ここまで悩んでいるのか、というのが正直な思いです。
好条件のもと2回の移植が、ともに着床しなかったのはなぜでしょうか?
中島先生●着床の問題以前に、卵子の質に目を向けるべきではないかと思います。患者さんから「質を上げるためにどうすればよいのですか?」と質問されることは多いですが、最初に「排卵誘発の方法によって大きく変わる」と説明します。特に多囊胞性卵巣症候群の場合、強い刺激によって卵巣が腫れるリスクがあり、それを恐れて中途半端な刺激にするとあまり良い卵子が採れないという結果になりがちです。当院ではアンタゴニスト法でしっかりと卵巣刺激を行い、採血データをよく見ながら、使用するFSH やHMG 量を調節して、GnRH アゴニスト点鼻で排卵(トリガー)を誘起する方法を基本としています。さらにカベルゴリンの内服により腹水の産生量を減らすことで、安全に採卵ができることがほとんどです。
子宮内フローラ検査を提案されたそうですが……。
中島先生●現段階ではフローラの改善が妊娠の確率を高めるというエビデンスは十分ではないので、検査にはあまりこだわらなくてもよいかと思います。食物繊維や発酵食品などを積極的に摂ることで腸内細菌がかなり改善されるのと同様に、食生活の見直しやストレス緩和など、体づくりに気遣って日々を過ごすほうが、むしろポジティブな不妊治療になるのではないでしょうか。
今後の治療についてアドバイスを。
中島先生●再度子宮鏡検査を受けてみて、やはりマイクロポリープなどの慢性子宮内膜炎を疑うポイントがあるなら、内膜の病理検査へ。抗生剤のアレルギー検査を皮膚科などの専門外来で確認して使用する方法もあります。
「保存している凍結胚の移植か転院して採卵から始めるか」の問いについては、胚のグレード次第。現在の凍結胚のグレードが良くないなら再度採卵してみてはどうでしょうか? その場合は、一度子宮鏡検査で内膜の状態を確認しておくことをおすすめします。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。