低AMH。保険治療か保険外での貯卵か

低AMHの場合、保険適用外で貯卵を行ったほうがいい?

相談者 : ゆたぽんさん(27歳)昨年、26 歳でAMH0.32ng/ml と診断されました。現在、顕微授精を行っており、過去2回採卵経験があります。保険適用後は3回目の採卵をして2個凍結。4AA の胚を戻したところです。保険適用後の治療では4月に採卵した卵子を使いきらないと次の採卵ができません。しかし現在お腹に戻した胚は保険適用前に採卵した胚なので、まだ2回移植しないと次の採卵ができません。保険診療を選択したものの、2人目を考えると貯卵したい気持ちがあり、今悩んでいます。
あいウイメンズクリニック 伊藤 哲 先生 順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学教室講師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999 年あいウイメンズクリニック開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。
 27歳でこの抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値はやはり低いといえるのでしょうか。
伊藤先生●そうですね。40歳でもこの数値は低めですから、20代ならかなり低いといえます。貯卵をしようかどうか迷われているということは、早発卵巣不全(POI)を心配されているからではないでしょうか。
 POI は何らかの原因で女性ホルモンを分泌する力が衰えてしまっている状態で、40歳未満で月経がなくなってしまうことをいいます。
 POI と診断するにはAMH に加え、卵胞刺激ホルモン(FSH)の値もみていかなくてはいけません。ゆたぽんさんはどれくらいなのでしょうか。20代で2桁の数値であれば治療を急いだほうがいいでしょう。
保険診療で不妊治療を続けることについてどう思われますか。
伊藤先生● FSH 値に問題がなければ、少ないにしても胚を2個凍結できて1個戻せていますから、このまま保険診療で治療を続けて問題ないと思います。
 次の採卵でどれくらいの数の卵子が採れるかによりますが、低AMH の方でもすぐに卵子が採れなくなってしまうということはないでしょう。当院でもAMH 値が1を切る方がいらっしゃいましたが、何回か採卵できています。まだ猶予はあると思いますから、保険適用が使えるところまで頑張られてみてはどうでしょうか。
今すぐ貯卵は考えなくてもいいのですか。
伊藤先生●ゆたぽんさんは今の段階では卵子が採れていて、4AA や4BA というグレードの良い胚盤胞もできています。
 このような方の場合、卵子が多く採れることは望めず、採れても2、3個くらいになるかとは思いますが、まだ年齢がお若いので少なくても卵子の質は良いと思われます。1回の体外受精で40~50%程度の妊娠率が見込めますから、十分希望をもてると思います。
 あと3個の胚が残っているということですから、それを移植して、結果を待ってから貯卵をするかどうか考えてもいいのではないでしょうか。
 保険診療が始まってから治療の選択に悩む方もいらっしゃると思います。施設側では経済面、お体の状態、効果などのバランスを考え、その方にとってベストな治療法を提案させていただいているので、先生のご説明をよく聞き、納得したうえで進めていただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。