【Q&A】卵管水腫は手術するべき? 他に方法は?~矢野先生

とんさん (32歳)  
現在、顕微授精を行なっております。
2度移植(5日目4AB、6日目5AB)しましたが、どちらも着床しませんでした。
子宮鏡検査では小さなポリープがありましたが、気にするほどではない、と言われています。
片側に卵管水腫があり(反対は閉塞)、今回2度着床しなかったため手術するべきか検討しております。
卵管水腫は普段から目立つほどではないとのことで、一旦は移植に進んだのですが、
やはり2度着床しないとなると、まずは水腫の手術が最優先でしょうか?
PGT-Aや、移植の前に水を抜き胚盤胞が流されないようにする処置、ERA検査等も気になっております。
花みずきウィメンズクリニック吉祥寺
院長 矢野 直美 先生

東京大学医学部医学科、東京大学大学院医学系 研究科博士課程卒業。武蔵野赤十字病院、帝京 大学医学部附属溝口病院、東京都老人医療セン ター、池下レディースチャイルドクリニック、池下 レディースクリニック広小路勤務を経て、2009年、 池下レディースクリニック吉祥寺院長に就任。体 外受精はすべて院長が担当。少数精鋭のスタッフ で、一人ひとり丁寧に診ることを心掛けている。
2022年7月より名称が「花みずきウィメンズクリニック吉祥寺」に改称。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
32歳という年齢は、生殖補助医療を行なっている不妊患者さんの中では比較的若い年代ですので、2回着床しないと落胆されるお気持ちもよくわかります。
様々な可能性を調べるほど、何から手をつけて良いのかわからなくなることともあるでしょう。
年齢が若いとはいえ、移植が2回だけですと、胚の質の問題で妊娠しなかった可能性もあります。

卵管水腫がどの程度のものかにもよりますが、腹腔鏡手術で切除した方が着床率が上がるという報告はいくつかあります。

手術も保険適用の治療となります。
ただし、腹腔鏡手術をする病院は必ずしも不妊治療に力をいれているわけではありませんので、直接相談されても手術適応がないと断られる可能性もあります。不妊治療の主治医とよくコンタクトがとれている病院にお願いされるとよいでしょう。

卵管水腫の水抜きは、確立された治療法とはいえず、保険適用のある術式とはなりません。
効果も一時的なため、移植周期に行うことになると、胚移植術との一連の治療となり、混合診療と見なされる恐れがあります。
卵管水腫の手術適応についてセカンドオピニオンを求める場合、排卵期以降に診察を受けることをお勧めします。

移植の時期が適切か調べるERA検査は、移植とは別周期に自費の検査として行います。

また、先進医療の手続きをしている医療機関でしたら、民間の医療保険の先進医療給付の対象になります。

着床前診断は、先進医療にも現段階では認定されておらず、採卵から移植まで全て自費診療となります。

また、ご相談の方の年齢から考えますと、もう少し多くの良好胚が得られれば、正数性胚がある程度含まれていることが期待されます。

まずは1回目の治療結果をもとに排卵誘発方法を再度検討してもらい、保険適用の治療で良好胚をできるだけ確保することをお勧めします

そのうえで、卵管水腫の切除もご検討ください。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。