「妊娠しやすくなる」「子宮内環境が良くなる」など海外で話題のサプリや薬。それらを買う際の注意点を浅田レディースクリニックの浅田義正先生に教えていただきました。
不妊に関する薬やサプリを海外から買うのは避けて
今はインターネットを活用すれば、日本だけでなく、世界の妊活に関する情報が入手できるようになりました。そうなると、「妊娠率が上がるという海外の薬」や、「卵子の老化を抑えるサプリメント」など、いろいろな気になるニュースも入ってきます。「少しでも妊娠の可能性が高まるなら、飲んでみたい」と、考える患者さんもいると思います。
でも個人で海外から医薬品やサプリメントを買うのはやめたほうがいいでしょう。理由としては、まず品質や安全性。原料にどんなものが使われているのかわからないことが多いのです。また、日本で禁止されている成分が含まれていることも。さらに、きちんと品質管理されているか、輸送中の温度管理もされているかわからないこともあります。
たとえば、腟に入れる乳酸菌の「インバグ」。1回でも適応温度から変わってしまうと主成分の乳酸菌が変質するため、体調不良の原因になる可能性があるので、体内に入れるのはNGとされています。さらに偽造品も多いので要注意です。厚生労働省でも「医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性があります」と呼びかけています。
気になる薬やサプリは医師に相談を
そうはいっても海外に気になる薬やサプリがある方もいるでしょう。国内では、医薬品は薬局や医師からでないと購入できないので、かかりつけの先生に飲む必要性などを相談してください。サプリメントも同様で、どんな良さがあるのか、飲んだほうがいいものかなどについては、かかりつけの先生に聞いてみてください。ただ、医薬品、サプリメントのいずれも本当に良いもの、多くの人に効果があるものならば、もっと世界中に広まっているはずです。そういったことを踏まえ、本当にこれを飲まないと妊娠できないのかを冷静になってご自身でも考えてみるといいと思います。
あとはどんなところが輸入をしているのかも確認しておくことが重要です。
クリニックを開業したばかりの頃は、フェマーラRなどを個人輸入していました。そのつど書類を作って持参するのが大変でしたが、患者さんの体に入るものゆえ、信頼できる人でないと頼めないと考え、自分で行っていました。
数年前たまたまヨーロッパの展示会で見つけたのが、オランダGiskit 社の卵管造影剤のEXem です。従来の卵管造影剤と異なり、痛みがなく、超音波で確認できるという特長があります。今は、海外の薬やサプリの輸入を一緒にやってくれる信頼できるパートナーが見つかったので、これからも「必要」と感じた医療機器や薬、サプリメントなどは、国内外を問わず、どんどん使って、妊娠を望むカップルの希望を叶えたいと考えています。