【Q&A】人工授精がうまく実施できません~矢野先生

しましまねこさん (34歳)  
人工授精に取り組み始めましたが、診察で排卵済と判明することが多く、過去3か月の4回のチャンスのうち1回しか実施できていません。
医師の見立て・設備に問題があると見なして転院した方が良いのか、一般的なことであるので地道に通院するべきか、いっそのこと体外に進んだ方が良いのかわからずにいます。
ご意見を頂けたら幸いです。
今回は生理から9日目の診察で卵胞15mm、12日目人工授精を予定して11日目の診察で排卵済(10日目に体温UP)
前回は10日目の診察で卵胞18mm、翌日実施(14日目に体温UP)→妊娠に至らず
前々回は14日目の診察で排卵済(診察前日の13日目に体温UP)
初回は12日目の診察で様子見、14日目の診察で排卵済(診察当日の14日目に体温UP)
花みずきウィメンズクリニック吉祥寺
院長 矢野 直美 先生

東京大学医学部医学科、東京大学大学院医学系 研究科博士課程卒業。武蔵野赤十字病院、帝京 大学医学部附属溝口病院、東京都老人医療セン ター、池下レディースチャイルドクリニック、池下 レディースクリニック広小路勤務を経て、2009年、 池下レディースクリニック吉祥寺院長に就任。体 外受精はすべて院長が担当。少数精鋭のスタッフ で、一人ひとり丁寧に診ることを心掛けている。
2022年7月より名称が「花みずきウィメンズクリニック吉祥寺」に改称。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
卵胞が発育し排卵が近づくと、下垂体から分泌されるLHというホルモンが急上昇し、排卵の引き金となります。
これをLHサージと呼び、血中LHの上昇を簡易的にみる検査が排卵検査薬として市販もされています。
一般的に卵胞の直径が17〜20mm程度になるとLHサージがおきますが、もう少し小さめでおきる場合もあります。
ご相談のかたの場合、担当医師からすると想定より卵胞が小さめの段階で排卵してしまったという状況かもしれません。
卵胞の大きさと卵子の成熟度はある程度相関があります。
小さめで排卵しても問題ない場合もありますが、十分成熟せずに排卵した可能性もあります。
経口排卵誘発剤のなかには、抗エストロゲン効果により、早めのLHサージを抑える効果がでるものもあります。
また、尿中LHあるいは血中LHを測定することもできます。
毎日のように超音波検査をすれば、排卵を見逃す心配は減りますが、保険診療で超音波検査できるのは自然周期では1〜2回、排卵誘発剤使用周期で3回までとなります。
それ以上の回数検査を希望すると、自費診療になる場合もあることをご留意ください。
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