青葉レディースクリニック 小松先生の プレママ教室第6回
早産を防ぐには、早期発見と早期治療が大切
どんな病気?
早産とは「出産予定日の4週間以上前に生まれること」。妊娠22週から36週の間に出産することを「早産」と言い、早産はすべての妊娠のおよそ5%に起きてしまいます。臨月に入る前に、子宮が不規則に収縮し、放置していると早産の恐れがあり、これを切迫早産といいます。
原因は?
原因はさまざまです。母体側の原因として、日頃、仕事や運動のストレスが多い場合、子宮が張りやすくなります。何もしなくてももともと子宮が張りやすい体質の方や子宮の頸管が短い、子宮の出口が緩んでしまう体質(子宮頸管無力症)の方、子宮頸がんの治療で子宮頸部の切除術(円錐切除術)を受けた方、腟の中に細菌が感染していたり、クラミジアや淋菌が子宮頸部に感染している方などです。これまでの妊娠で早産になった人は、再び早産になりやすいので注意が必要です。
また、胎児側の原因としては、羊水が多い、赤ちゃんが大きい、双子や三つ子といった多胎妊娠の場合では子宮が張りやすくなります。
重症の妊娠高血圧症や前置胎盤、胎児の発育が停止してしまう胎児発育不全などの場合は止むを得ず、早産を選択することもあります。
どうやって調べるの?
ほとんどの方は子宮が収縮しているという自覚があり、なかには出血する方もいます。自覚がない方には実際に、子宮収縮抑制剤を内服してもらい、子宮の収縮が治った状態を経験して初めて子宮が収縮していたことに気づく方もいます。エコー検査では子宮頸管の長さを測定します。
子宮が大きくなると、胎児心拍数陣痛図の計測用機器をお腹に装着して、30~60分間、子宮の収縮を調べます。
治療は?
妊娠の週数や子宮頸管の長さ、子宮収縮の頻度、出血の有無などによって、治療法が異なります。
子宮収縮抑制剤の服用をすすめることが多いのですが、子宮収縮抑制剤は動悸や手の震え、湿疹など副作用が多く、体質的に合わない方もいますので、安静治療が大切です。ハードワークをしている方は妊娠週数に限らず、休職や勤務の軽減を考慮していただきます。
妊娠24週以前の場合、子宮収縮抑制剤を内服し、ご自宅で静養していただきます。前回出産で早産の方や子宮頸管無力症と診断された方は早産を繰り返すリスクが高く、安静入院を積極的に考慮します。
妊娠24週以降の場合も、ほとんどの場合、入院する必要はありません。自宅での静養や子宮収縮抑制剤の内服が中心です。出血を伴う場合や子宮収縮抑制剤が合わない方は黄体ホルモンの内服や安静入院が必要な場合もあります。
妊娠34週以降は子宮頸管長が短くても、入院をすすめることはあまりありません。ご自宅で、ゆっくりしていただくことが多いです。