生田克夫先生にお話を伺いました。
いくたウィメンズクリニック 生田 克夫 先生 名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助教授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に悩む名古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を辞して独立。地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986 年から体外受精の現場を歩いてきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さんを妊娠に導く。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
まいさん(34歳)
今年の4月から不妊治療専門病院に通っています。
最初の検査で私も夫も異常なし。
ですが、先月排卵が遅れたようなので、クロミッドを使おう!となりました。
結局、生理3日目の血液検査の結果、使わないで大丈夫となりましたが。(リセットさせる為の薬だけは飲みました)
そのときに検査結果がE2だけが基準値以上で140.2
先生はもう排卵だよ!ってことだよ…と言っていましたが、数値が高すぎても大丈夫なのでしょうか?
タイミングとっても育ちにくいとかないのでしょうか?
内容がいまいちよくわかりません。
最初の検査でとありますが、一般的な基本的検査である精液検査、 卵管の疎通性検査、黄体機能検査、 性交後検査などで異常が無かったと言うことでしょうか?
そして排卵が遅れたのでクロミッドを使用しようというのは理解で きますが、生理3日目の血液検査で、 使わなくて大丈夫というのがわかりません。
月経周期は常に一定ではありません。 いろいろな状況や変化したりします。
排卵が遅れたということの話であるならば少なくとも月経から10 日目以上、月経周期が32日であると書かれていますから、通常月経から18日あたりで排卵が起こっているでしょうから、少なくとも12-13日目くらいでの状態での話でしょうか?
それで超音波検査での発育卵胞が小さいということでなのかと思い ますが、3日目の検査結果からクロミッドを使用しなくて大丈夫という結論 は導き出せません。
3日目というのが同じ周期の話なら少しはわからないでもありませ んが、それでもその検査結果で使用するクロミッド使用の必要性がわかる とは思えません。
もし参考にするのならば遅れていると思われる時点でのホルモン検 査以外は参考になりません。
140pg/ mlというのがその時点のE2の値ならば妥当な値であって、リセットの薬を飲まなければいけない理由がありません、なぜ月経周期をリセットする薬を服用することになったのでしょう か?
さらに140pg/ mlという値は排卵時期のホルモンとしてはまだ低い値です。
ホルモンの検査キットにもよりますが、 少なくとも排卵時には200pg/mlは超えるはずです。
人によっても周期によってもばらつきますが、 場合によっては300pg/mlを超えたりもします。
単純にその値から導き出される結論は、まあ小さめの卵胞であるけれどホルモンの分泌はそれに見合った値 なので、「発育開始がいつもより少し遅れているだけなので、もう少し様子を見ていれば排卵になる可能性がたかいですですよ。 」となるか、
「それ以前の経過からやはり発育が停滞しているのでクロミッド( どちらかというとセキソビット)を服用してみますか?」となると思いますが。
月経周期は脳の中の視床下部にある月経調節中枢がすべてをコント ロールしています。
ここはすべての中枢が集まっている場所でもあり、身体的(過労、 睡眠不足、体重の急な変化、薬物の服用など)、精神的(悩み事、仕事などの神経と過度の疲労) な負荷つまりストレスがかかるとリズムを乱します。
年齢を考えるとタイミング治療は3-4周期くらいでしょう。
年齢を考えるとタイミング治療は3-4周期くらいでしょう。
それ以上はあまりお勧め出ません。
妊娠された方たちでどれくらいの期間で妊娠に至ったかというデー タでいうと半年で60%くらいが妊娠されています。
女性の年齢は35歳を超えると妊娠率がどんどん落ちていきます。
とくに38歳を超えると妊娠できる確率はどんと落ちていきますの で、原因不明不妊症に対する積極的な治療を考えていかれるところに差 し掛かると思います。