【Q&A】子宮内フローラ検査~林先生

林先生に聞いてきました。

ウィメンズクリニックふじみ野 林 直樹 先生
1983年、東京大学医学部卒業。埼玉医科大学総合医療 センター(川越市)などを経て、現職。「体外受精、顕微授精も高いクオリティで対応していますが、できる限り自然に近い不妊治療をご提供したいと考えています。 患者さんはそれぞれお悩みも違いますから、どんなこと でもまずご相談を。時にはご要望に沿えず、厳しいこと を申し上げるかもしれませんが、常に患者さんにとって ベストな治療法をご一緒に見出したいと思っています」。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

大ちゃんさん(36歳)

体外受精で移植を2回実施し、hcg0.1以下でした。
2回移植して着床しなかったため、主治医より、子宮内フローラ検査の提案を受けました。
この検査は、抗菌薬を服用しても改善しない人が一定数いると説明を受けました。
私自身、過去にフロモックスとホスミシンでアレルギー反応が出ており、使用できる抗菌薬の制限があります。
子宮内フローラ検査を受ける必要はありますでしょうか?
検査を受けたら、数ヶ月間は移植はできないようですし、改善しない人も一定数いるとのことで、悩んでいるところです。
数ヶ月移植ができないようであれば、貯卵のために先に採卵をしておくほうが良いかも悩んでいるところです。
また、7~8ヶ月程度前に子宮鏡検査を受けたところ、マイクロポリープがあり、その場で切除していただきました。病理検査への提出や抗生物質の服用もありませんでした。
子宮鏡検査を受けてから日が経っていることもあり、再度受ける必要があるのであれば、子宮内フローラ検査と子宮鏡検査はどちらを優先したらよいでしょうか?
子宮内フローラ検査を受けるメリット・デメリットを教えていただければと思います。
現時点で凍結胚の有無が文面からは読み取れませんが、おそらく有るものとしてお答えします。
ご存じのように本年4月から不妊治療の保険適用化が開始されました。
子宮内フローラ検査は保険適用がなく、また(回答時点では)先進医療にも振り分けられておりません(いずれ認められる可能性が高いですが)。
したがってもし保険適用で移植を計画される場合には子宮内フローラ検査はできません。
エマ・アリス検査は先進医療のため可能です。
いずれの検査も、検査後何か月も移植できないということはありません。
結果は3〜4週以内に判明します。
また一般的に、抗菌剤などで治療後に再検するということはされておりませんが、一部の医療機関ではおこなっているようです。
再検して再度治療などをおこなった場合と再検しなかった場合との間の比較成績はまだ存在しないため再検をした方がよいという根拠はありません。
2回の胚移植で不成功であった時点での着床障害検査としてのこうした細菌叢の遺伝学的検査はやや時期として早いと思いますが、以前の子宮鏡検査でマイクロポリープが認められて切除歴があるとのことですので行ってみても良いと考えます。
子宮鏡検査の再検は不要と考えます。
しかしなんといっても着床しない最大の原因は、胚の質と染色体異数性です。
残っている胚の質にそれほど問題がないのであれば転院されずそのまま移植されてはいかがでしょうか。
2回移植して残った胚が染色体に異数性がないいわゆる正2倍体胚であって順調な妊娠出産に結びつくこともよくあります。
36歳ですと胚盤胞における正2倍体の確率は60%くらいです。
残っている胚の状態について主治医とよくご相談ください。

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