妊活を始める直前、子宮筋腫が見つかって…

ショック! 妊活を始める直前、子宮筋腫が見つかって……
43歳までは自分が後悔しないようできることはすべてやる覚悟でした。
子宮筋腫の手術を経て38歳の時、タイミングから本格的に妊活を始めたRさん。
しかし、手術の影響で卵管癒着の恐れがあったので体外受精にステップアップ。
終わりを見据えて治療を続け、40歳の今春、願いが叶いました。

子宮筋腫と知り愕然!子どもは無理? と不安に

Rさん(40歳)は2016年6月、1年前に出会い、人柄に惹かれたMさん(44歳)と結婚。子どものことを考え始めたのは翌年の新婚旅行の後でした。当時はすぐ自然に授かると思っていたため、自分でタイミングをとる程度に過ぎなかったそうです。

 何となく思い立ち、婦人科検診を受けたのが18年8月。この時に子宮筋腫と乳腺線維腺腫が見つかりました。「乳腺のほうは妊娠に影響はないとのことで経過観察に。筋腫は子宮の外側にできる漿膜下筋腫というもので8㎝ほどの大きさでした。筋腫のことより、子どもが産めないかもしれないという不安が大きくてショックでしたね」

それでも当初は不妊治療優先で動いていたのですが、半年後に筋腫が10㎝まで拡大し、医師から「これが不妊の原因かもしれない」と告げられてしまいます。そこでRさんは手術を受けることにしました。

「ただ、その病院だとお腹を切る手術になると言われて。それは嫌だったので腹腔鏡で手術してくれる病院を自分で探し、そちらへ転院して手術を受けました」

タイミング法で4回陰性ダメ出しをされている気分

手術後、半年の避妊期間を経て転院先で本格的に妊活を開始。タイミングに4回トライしましたが、うまくいきませんでした。

「何だかずっと自分にダメ出しをされているようで。自然妊娠はさすがにもう無理なのかなと落ち込みました」

4回目が陰性だった段階でRさんは卵管造影検査を受けます。

「その結果、筋腫の手術の影響で、左側の卵管が癒着している恐れがある、妊娠の確率を考えるなら体外受精へステップアップしたほうがいい、と先生に言われてそうすることにしました」 最初の採卵が20年2月。5個の卵が採れたので1個を採卵周期で移植。陰性だったので残り4個のうち、胚盤胞になった1個を凍結胚にして翌年6月に移植しました。しかし、これもうまくいきませんでした。

実はこの頃、Rさんは退職を考え始めます。同じ職場の2つ年上の女性が先に妊娠したからです。

「女性が少ない職場というのもあり、私と何が違うんだろうってつい比べてしまって…。精神的につらくなり、このままストレスを抱えて妊活を続けるのは私には難しいなと。それで主人にも相談し、16年勤めた会社を思い切って辞めました」

21年8月に退職し、10月に2回目の採卵を行いました。今回は6個の卵が採れたので1個を初期胚で早々に移植。結果は陰性。残りの卵のうち2個が胚盤胞になったので凍結胚にしてその一つを今年3月に移植しました。

実はRさんにお話を伺ったのはちょうどこの4回目の移植を終えた直後でした。そして4月に入り、Rさんから陽性だったという朗報がジネコに届きます。仕事を辞めたことで治療のことだけに集中できたことがRさんにとっては良かったようです。

夫Mさんと女性鍼灸師の存在が心の支えに

移植をして、陰性の結果が出るたびに毎回メンタルをやられていたとRさん。どうやって気持ちの折り合いをつけてきたのかとお聞きすると、 「折り合いはついていなかったですよ」とひと言。

「3回目の移植までは早く結果を出したいと思って焦りまくっていました。ただ、今回(4回目)はもう焦ってもしょうがない、なるようになるって。何となく穏やかな気持ちで臨めたんです。おそらく自分にできることは一通りやっているので」と取材時に話してくれていました。

実際、通院のほか、約40分のウォーキングを日課にするようになったそうです。

「退職して家に居たら体重がやや増えてしまったので(笑)。太りすぎないよう、食事も毎回腹八分目を心がけています」

それ以外にはSNSを参考にして葉酸などいくつかサプリメントも飲んでいました。

「あとは鍼ですね。これもSNSで知って8カ月前から週1で通院するようになりました。女性の鍼灸師さんだったのですが、いろいろ話を聞いてくれるので気持ちも楽になりました。特に不妊治療のつらさはとても親しい友達に話す気にはなれなかった。私の周りはほとんど普通に自然妊娠で子どもを授かっていたので」とRさん。もちろんそばでずっと見守ってくれている夫・Mさんの存在も欠かせません。

「メンタルがキツい時は主人にガーッと話すのですが、いつもうんうんとうなずきながら、聞いてくれて。それだけで案外、気が晴れるので本当に助かりましたね」

もし陽性でなかったら転院するつもりだった

もし4回目の移植も陰性だったら、この先どうするか? そのことも、取材時に聞いていました。「転院しようと思っています。実は術後1年半で筋層内に筋腫がまた見つかったので。ホルモン補充周期にしているのが良くないのかなと。だから自然周期の治療をしてくれる病院に替えたいと考えています」

また、Rさんは「不妊治療は43歳までと決めている」。そうはっきり断言していました。

「夫の年齢や、先々のことを考えると、それ以上続けるのはさすがにしんどいなと。だからこそ、43歳まではできる限りのことをやろうと思ってます。主人も後悔しないよう、気が済むまで頑張ろうと言ってくれていますし」

その覚悟があったからこそ今回の移植で結果が出せたのかもしれません。今はつわりもあってようやく赤ちゃんが来てくれたことを実感しているそう。元気に生まれてくることを願うばかりです。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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