大野田先生に、聞いてみました。
大野田先生 東京慈恵会医科大学 医学部医学科 卒業、東京慈恵会医科大学附属 柏病院、東京慈恵会医科大学附属病院、国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター、茅ケ崎市立病院 産婦人科、東京慈恵会医科大学附属 第三病院、獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター、 産婦人科、遺伝カウンセリングセンター、みなとみらい夢クリニック、2022/4月 おおのたウィメンズクリニック 埼玉大宮 開院
夫の転勤のため、今後、関東や仙台方面を視野に入れてクリニックを決めたいと思っています。これまで2つのクリニックで治療をしておりましたが、一度も着床に至っていません。
人工授精4回、体外受精2回(採卵2回、移植7回)体外受精の治療歴(2件とも九州内のクリニック)
クリニック①2020年7月~2021年3月(38歳)
採卵1回 19個採卵→17個受精→10個凍結(初期胚4個、胚盤胞6個)
グレード:初期胚4個(8G1、8G2)、胚盤胞6個(5AA×2、5AB、4AA、4BB、桑実胚) 刺激法は分かりません。ゴナールF150ミリを毎日注射しました。4回に分けて2個づつ移植をしましたが、一度も着床無し。移植はホルモン補充、自然周期どちらも試みました。内膜は8~9ミリくらいです。
クリニック②2021年5月~2022年3月(39歳)
採卵1回 12個採卵→8個受精→6個凍結(初期胚1個、胚盤胞5個)
グレード:初期胚1個(8細胞)、胚盤胞5個(A×1、B×2、C×2) 刺激法はPPOS法です。ゴナールF150ミリを1日おきに注射しました。
昨年のAMHが12.99と高めです。
夫の数値は引っかかる項目は無く、2回とも体外受精しました。
直近の移植でうっすら陽性が見られた事もあり、PGT-Aが出来るクリニックを探しています。なぜPGT-Aを考えているかというと、時間的及び費用的な問題から無駄な移植を減らすことと、より着床しやすい受精卵を選択し、移植したいからです。
これまでが高刺激か低刺激か分からないのですが、自然周期のクリニックも気になっています。
ですが、1度は採卵数が少なくなるとPGT-Aをするまでに採卵回数が多くなり、時間を要するようになってしまうのか心配です。
どのような基準でクリニックを決めるべきか、教えてください。よろしくお願いいたします。
2度の採卵で複数個の卵子を採取でき、胚盤胞も複数個出来ているのに、妊娠判定が出ないのは何故?との思いも強いと思います。
既に、着床不全の可能性も考えて、ERA、EMMA、ALICE,子宮鏡検査もお受けになり、結果に異常なかったとのことですから、かかりつけの医師が言うように、現段階での不妊原因は原因不明と言わざるを得ないのかもしれません。
ただし、受精卵側に問題がないかを今一度確認する上でも、PGT-A(着床前胚染色体異数性検査: Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy)を行うことは一つの選択肢になると思います。
現在、 PGT-Aは、不妊治療の一環として実施することが認められており、反復体外受精不成功の不妊症患者 (これまでに体外受精を受けていて、臨床的妊娠をしなかった方、反復について連続である必要はありません。2回以上の既往があれば対象となります )に対して行うことができます。
メリット としては、移植前に受精卵の染色体の数に異常がないかを調べることにより、異常が見られた場合にその受精卵を移植しないことで、流産のリスクを減らすことができます。
結果として、染色体数が正常な受精卵を移植するため、移植あたりの妊娠率や出生率の向上、初回妊娠までの時間の短縮が期待できます。
Yuuri様は、現在採卵において卵子も多く回収出来、また胚盤胞にも多く到達していますから、卵子の採取が少数となってしまうような自然周期や低刺激法より、高刺激法とPGT-Aを併用する方が、時間的に効率性が高いと思います。
また、PGT-Aを行っている施設を選ぶポイントとしては、PGT-Aの実施数が多い(技術的に熟練している)ことと、遺伝カウンセリングが充実した施設(遺伝情報を扱うため)を選ばれるのが良いと思います。