良好胚でも妊娠しません。着床の窓を知る検査をした方が良いでしょうか?

4月から先進医療にもなるERA検査。良好胚を移植しても妊娠に至らない場合、すぐにERA検査をして「着床の窓」を確認した方がいいのでしょうか?草津レディースクリニックの森先生にお答えいただきました。

森 敏恵 先生(草津レディースクリニック)日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会会員 生殖医療専門医、日本受精着床学会会員、日本卵子学会会員。神戸や滋賀県の産婦人科などを経て、草津レディースクリニック院長に就任。「笑顔になれるクリニック」をめざし、臨床心理士による心のケアなど、心身両面の治療を大切にしています。

相談者/コロンさん1年前に人工授精で妊娠しましたが、7週で稽留流産でした。その後、採卵してスプリット法にて凍結胚を3個得られ、凍結胚移植しまたが、1回目で失敗。凍結胚も多くなく、もしかしたら着床の窓がずれていたのか不安です。ERA検査は高額なので、子宮内の細菌培養と不育症検査をしましたが問題なし。

2回目の胚移植も終えました。良好胚を移植しても妊娠に至らない場合、ERA検査を実施した方がいいのでしょうか?仕事のストレスも関係しているのでしょうか…。

ERA検査とは、どのようなことを調べる検査でしょうか?

ERA検査は通常、良好胚移植を複数回行っても妊娠しない、反復着床不成功例に対して行う検査です。移植のタイミングで子宮内膜を採取し、遺伝子の発現パターンから、子宮内膜の状態がどの時期にあるかを特定します。

妊娠において子宮内膜が受精卵を受け入れる時期が決まっており、その時期を「着床の窓」といいます。着床の窓には個人差があり、人により時期が早く、遅く、長く、短く、などの違いがあります。ERA検査により個人の着床の窓を特定し、最適な移植のタイミングがピンポイントでわかります。

 

コロンさんの治療内容について、先生のお考えを教えてください。

2回目の良好胚での移植結果をお待ちということで、この移植で妊娠されていることを願っております。もし妊娠されなかった時は、次回移植前にERA検査を受けられてはいかがでしょうか。着床の窓は妊娠に至るプロセスの一つに過ぎないので、その検査で妊娠に至らない原因が解明できるわけではありませんし、着床を確実なものに出来るわけでもありません。でもコロンさんがERA検査のことが引っかかってしまうようなので、そのストレスを解消できることも検査を受けるメリットだと思います。治療自体がストレスなのに検査を受けるかどうかのストレスまで抱えるのは大変じゃありませんか。検査を受けてスッキリしてください。検査結果が出るまで時間がかかるので、そのあたりのスケジュールも確認して、ERA検査を受けるかどうか検討してみてくださいね。

担当医の先生としっかりと相談して、コロンさんが納得された上で治療を進めて下さい。

また他にも当院では体質改善、体調管理のために漢方やサプリメントをおすすめしています。バランスのよい食事で栄養を採るのがベストですが、なかなか難しいですね。ビタミンDや亜鉛、銅など不足しがちな栄養素や、DHEA、抗酸化成分のPQQなど積極的に摂取するといいでしょう。

仕事と治療の両立ストレスがあるようです。貴院ではそういった患者さまにどういったサポートをされていますか?

 

不妊治療中は、治療についてだけでなく、関連した様々な悩みを抱えられる方が多くいらっしゃいます。夫婦のこと、両親や兄弟、仕事と治療の両立や人間関係、年齢や経済的なことなど、その悩みはさまざまです。医師としてもできるだけ患者さんとコミュニケーションを図るようにしていますが、なかなか難しい面もありますね。当院では臨床心理士によるカウンセリングも行っています。治療に関することだけではなくプライベートなお話、心のモヤモヤや悲しい気持ちをお話いただくことで、心を休ませたり整理することができていらっしゃるようです。

また、仕事と治療の両立については多くの患者さまのストレスとなっています。当院では、職場で不妊治療のご理解を得やすいよう、少しでもサポートできればと、厚労省が発行している「不妊治療連絡カード」もご用意しています。

最後に、コロンさんと同じように治療を頑張っている方へメッセージをお願いします。

 

一人で頑張り過ぎず、パートナーに気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。ギスギスした気持ちのままだとストレスが溜まる一方です。二人で納得して治療が進められるよう、いいことも、辛いことも、些細なことでもお話してみましょう。その時間が夫婦の絆を深め、精神的にも安定して治療もいい方向へ進むかもしれませんよ。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。