なかむらレディースクリニックの中村嘉宏先生に医師の立場から教えていただきました。

胚盤胞のグレードは、主にGardner分類という方法で行われます。
※表はVeeck分類です。grade 3がちょうど真ん中のグレードになります。
胚盤胞移植と初期胚では妊娠率には差があります。生命力の強い受精卵が胚盤胞まで達するので当然胚盤胞の方が妊娠率は高くなります。
当院の凍結融解胚移植の成績では、初期胚移植は胚一個あたり、約15%、胚盤胞移植で約40%です。なお、この成績は、患者さんの年齢によってかなり変化します。当院のデータは胚盤胞で平均年齢38歳、初期胚で約39歳でのデータです。はなさんのご年齢ではもう少し高いかもしれません。
胚盤胞移植にするか、初期胚移植にするかですが、年齢やとれる卵子個数によって判断が変わってきます。年齢が高くなると胚盤胞に到達する確率は低下します。
また、体外培養による受精卵へのストレスも、高齢の受精卵となると無視できなくなります。
そのため、当院では43歳以上の方は基本的には初期胚移植を勧めています。
ご年齢が若く、卵子がたくさんとれる方は基本的には胚盤胞移植を勧めています。
なお、若年で卵子もたくさんとれる方であっても、初回の採卵での胚盤胞到達率が低い場合は初期胚移植か、初期胚と胚盤胞に分けて凍結し、胚盤胞から移植していく方法をとっています。