【Q&A】流産の手術について~小田原先生

流産後の手術は、どのような形が良いのでしょうか?

ファティリティクリニック東京の小田原靖先生に詳しく解説していただきました。

ファティリティクリニック東京 小田原 靖 先生 東京慈恵会医科大学卒業、同大学院修了。1987年、オーストラリア・ロイヤルウイメンズホスピタルに留学し、チーム医療などを学ぶ。東京慈恵会医科大学産婦人科助手、スズキ病院科長を経て、1996年恵比寿に開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ようさん(38歳)

36歳の時に自然妊娠して流産し、今回初めての体外受精で妊娠しましたが、心拍確認出来るも胎芽が4ミリから成長せず、8週目で稽留流産となり薬も中止となりました。
自然排出待ちですが、2週間から3週間ほどして出てこなければ、手術と言われました。
手術も吸引法と掻把法がありますが、どちらの方が良いのでしょうか。
前回は吸引法で手術をしています。
2回目の流産となり、また手術する事によって、今後の妊娠に影響はないのでしょうか。
また、流産後はどれくらい休んだ方が良いのでしょうか。

流産手術の方法については間違いなく吸引法(MVA)が優れています。
不妊治療における流産手術のポイントは子宮内膜組織を薄くしないことですが、掻爬法ではどんなに注意して慎重に行なっても稀に術後子宮内膜が薄くなることがあります。
(当院では3年前から吸引法のみを行なっております)合併症や子宮内膜厚に問題がなければ流産処置が次回の治療に影響することはありません。
個人差がありますが、流産後は通常2周期お休みをすれば治療は再開可能と考えます。

流産の原因の7割は偶発的な胚の染色体異常に起因しますが、ようさんは2回目の流産ですので、お休み中に不育症についてのスクリーニング検査を受けられることをお勧めします

次回の治療は凍結胚があれば移植を、無ければ再度採卵を考慮してよろしいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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