ウイルス性疾患とワクチンについて

青葉レディースクリニック 小松先生のプレママ教室vol.4

青葉レディースクリニック 小松 一 先生 高知県出身。1995 年九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センターや北九州市立医療センター、九州厚生年金病院などで研鑽を重ね、2007 年に「青葉レディースクリニック」を開業。高齢出産を多く手がけており、安心できる分娩をモットーにしている。

ワクチンによる感染予防と抗ウイルス薬が2本柱

産婦人科とかかわる代表的なウイルス性疾患を表に分類しました。

抗ウイルス薬とワクチンの両方が開発されているウイルスもあれば、どちらか片方しか、もしくは今のところ、有効な手段がないウイルスもあります。すでにワクチンがあるものについては、やはり予防接種を受けて、感染しないことが肝要であると思われます。

ヒト乳頭腫ウイルスHPVは子宮頸がん

子宮下部の管状の部分を子宮頸部、子宮上部の袋状の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。 子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。最近は20~30歳代の若い女性にも増えて、若年女性が罹患するがんの中で1 位となってしまいました。

子宮頸がんの発症には、HPVの感染が必須であることがわかってきました。このウイルスは性行為によって、子宮頸部に感染して定着します。日本人を対象とした調査では、一般女性の60%以上はHPV の感染歴があり、たとえHPV に感染しても、2年以内に90% の人は自分の免疫の力でウイルスが排除されることもわかっています。

しかし、排除できなかった10%の女性において、子宮頸がんの高危険群のタイプのHPV が長期間定着すると、がんの前の段階である異型細胞が増殖してしまいます。この自然に治癒しないグループが子宮頸がんに進行するといわれています。したがって、閉経するまで定期検診を受けていて、一度も異常を指摘されたことがない方はあまり心配する必要はありませんが、前がん病変である異形成と診断されたことがある方は閉経後も定期検診が必要です。HPV ワクチンは我が国では副反応が大きく報道され、残念ながら、中断されていました。現在はコロナワクチンの普及に伴い、正しい理解が進み、予防接種が再開されています。10代、20代の若い女性はぜひ予防接種を検討してほしいと思います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。