不妊とも関連のある「冷え」は生活習慣の見直しで改善することも!

妊活中の方の中には、常に手足が冷たい、下腹部を触ると冷えているなど、体の冷えに悩まされている方が多く見受けられます。そこで冷えと不妊の関係性や、対策のポイントについてフィーカレディースクリニック院長の佐野麻利子先生に教えていただきました。

フィーカ レディースクリニック 佐野 麻利子 先生 帝京⼤学医学部卒業後、順天堂⼤学医学部付属順天堂医院産婦⼈科医局に⼊局。2001年より賛育会病院に勤務し、2006年に医学博⼠を取得。その後、⾼崎ARTクリニック、産科婦⼈科舘出張佐藤病院勤務を経て、2018年にフィーカレディースクリニックの院長に就任。わかりやすい説明と、アドバイスが具体的で実践しやすいと遠方から通う患者さんも多い。

西洋医学の概念にはない「冷え」自律神経の乱れが原因の可能性も

多くの女性が悩まされる「冷え」。実は西洋医学の観点でいうと病気ではなく、不定愁訴の一つと考えられています。不定愁訴とは、「病的な原因がないのに感じる不快な症状」という意味です。ただし、動脈硬化や甲状腺機能低下症などの病気にかかっている場合、症状の一環として冷えを感じることもあります。そのため、手足が冷たいなどの症状がある場合は、かかりつけ医に相談し、病気が隠れていないか確認してみてください。そのうえで病気ではないのに、冷えの症状がある場合は、自律神経の乱れによって引き起こされている可能性があります。

自律神経の乱れは、主に生活リズムの乱れからくるものが多いといわれていますが、特に注意したいのが食事です。今の日本人女性は「やせている=美しい」という価値観をもっている方が多く、必要な栄養をきちんと摂取できていない傾向に。そういう方は体内の代謝が悪くなり、血流も滞りがちになります。卵巣や子宮などの臓器も血流が悪くなって活性化しづらくなるため、不妊につながる可能性が高くなります。

たんぱく質をしっかり摂る食生活にすることが改善の第一歩に

自律神経の乱れをととのえるために、生活習慣の一つである食生活を見直しましょう。

「食生活を見直す」と聞くと、「野菜をたくさん摂るようにする」と考える方もいるようですが、それだけでは足りません。もちろん野菜を食べることは大切ですが、「たんぱく質+脂質+炭水化物」の三大栄養素をしっかり摂取することが大切です。外食時にメニューを選ぶ時や、ランチをコンビニで調達する際の参考にしてみてください。特にたんぱく質は、子宮や卵巣をはじめ、体内の臓器の代謝を上げて血流を良くする働きを担っているので、きちんと食べるように心がけましょう。ちなみにたんぱく質は肉、魚、大豆、卵などに多く含まれています。

そしてたんぱく質を体内で必要な組織に変えるサポートをするのが、ビタミンB群です。特にバナナやパプリカなどに多く含まれるビタミンB6とセットで摂るのがポイントです。

また、妊活世代に限らず女性に不足しがちな鉄分を摂ることも忘れずに。レバーや魚介などに多く含まれる「ヘム鉄」は、野菜やプルーンなどに多く含まれる「非ヘム鉄」より吸収率も高くおすすめです。食事で摂りきれない栄養素はサプリメントで補充するのもいいでしょう。

当院では、さらに妊娠に向けてより詳しい食事指導を希望する方に、管理栄養士がアドバイスさせていただきます。

自分が継続できるやり方で無理せず生活習慣を見直して

食生活を見直したら、体を動かす習慣をつけてください。運動習慣がない方は、最初は通勤時間を活用し、最寄り駅の1つ手前で降りて歩いてみることから始めてみてください。目安は1日1回、1回あたり20分程度体を動かしてみましょう。慣れてきたら、ウォーキングのあとにスクワットを加えるといいでしょう。

さらに、睡眠時間も大切。就寝前にブルーライトを浴びてしまうと脳が覚醒してなかなか寝付けません。スマホは22時までにし、23~0時には寝るように心がけることも、冷え解消につながります。

冷えの解消には、食事の見直しや運動を無理せず長く続けることが大切です。ぜひご自身に合った方法を見つけてみてくださいね。

冷えは日常生活の習慣を見直せば軽減することができる

食事は「たんぱく質+脂質+ 炭水化物」をセットで食べよう。

運動習慣がない人は通勤時間を利用したウォーキングから!

スマホは就寝する1時間前まで。7~8時間は眠るようにしよう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。