第1子は治療をやめたら自然に妊娠。次はどんな方法からスタート?
2人目不妊ではどんな治療方針を立てたらいいのでしょうか。第1子の時も不妊治療していた人は「その時
と同じ方法がいいのでは?」と迷ってしまいがちです。受診するタイミング、何から始めてどのような治療
を選択していったらいいのか、秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生に詳しいお話を伺いました。
治療を休んでいる間に自然妊娠する人も
確かに、一般不妊治療や高度生殖医療で繰り返し妊娠に至らず、次回の治療までの待機中、または治療を中止したあとに自然に妊娠となる患者さんはいらっしゃいます。
原因不明不妊の患者さんの自然妊娠率は周期あたり2~4%といわれており、治療をしなくても1年間で約15%、2年間で35%程度妊娠の可能性があるというデータもあります。ただし両側の卵管が閉塞していたり、精子所見が極端に不良という場合、その可能性はかなり低いと思われます。
精子濃度1000万はやや少ないという程度
以前の精子所見ですが、精子濃度の単位が明記されていないのではっきりいえませんが、通常の10の6乗をかけるという単位であれば、精子濃度は精液1mlあたり約1000万とやや少ない状態(正常範囲は1500万以上)かもしれません。
ただし、精液検査の所見は禁欲期間や体調、採取環境などにより大幅に変動することがあるのですね。一度の検査では判断が難しいので、通常は2回、3回と再検査を行って判断していく必要があります。
2人目のお子さんの不妊治療をお考えでしたら、治療の方針を決めるために、女性の基本的な検査はもちろん、現在の精子の状態を調べることは必須だと思いますね。
新たに検査をし直して治療方針を決めます
受診する医療機関については、データが残っているという意味では以前診ていただいた施設にご相談するのがベストなのでは? 前の治療から時間が経過しているので、ご夫婦ともに検査は一から受け直すことになるかと思います。年齢も重ねているので、前と同じ体の状態だと思わないほうがいいでしょう。
どの治療から始めるかは検査の結果次第ですね。前に自然で妊娠しているので、精液検査を含む諸検査で異常がなければいきなり顕微授精から始めるということはないと思います。
当院でしたら、37歳という年齢を考慮しつつ、タイミング指導からスタートして、早めのステップアップをおすすめしていくと思いますね。
顕微授精が合わないということについては何ともいえません。たまたまその時にうまくいかなかったのかも。卵巣刺激法や薬など、いろいろな選択肢をご用意しているので、試しながらその方に合った方法を見つけていくことになるかと思います。
2人目の不妊治療はいつから?
第1子を帝王切開でご出産した場合には通常1~2年空けたほうが良いとされていますが、正常分娩であれば特に決まりはないと思います。年齢にもよりますが、1人目を自然妊娠されているのであれば、積極的に性交渉を持って6カ月程度妊娠しなければ受診するという形でも良いのでは。また、授乳中は妊娠を妨げるホルモン状態になっていると考えられますし、母体に使用する薬剤が母乳を通じてお子さんに移行する可能性が高いといわれているので、不妊治療を希望されるなら第1子の断乳、または卒乳後が望ましいかと思います。