コロナが猛威を振るっている現在、ワクチンの影響が気になる所です。
女性へのメッセージは学会などから行われているようですが…男性は?
園田先生に聞いてきました。
例えば、Instagramでは、摂取すると精子の数が減るとか見かけたり。
実際どうなのでしょうか?
妊活中のご夫婦にとっては、コロナワクチン接種による卵子や精子への影響も気にされる方も多いと思います。
当院のブログにおいても胚培養士が書いておりますが、
妊活中のコロナワクチン 精子への影響は? | 桃クリブログ – 大阪の不妊治療なら【園田桃代ARTクリニック】 (sonoda-art.com)
mRNAワクチン接種による、精子の運動率や濃度への影響について調べた論文がありますので、ご紹介させていただきます。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2781360
2020年12月~2021年4月
アメリカ・マイアミの大学病院でワクチン接種を受けた18-50歳の男性45名を対象に、
ワクチン接種前と、およそ70日後に精液検査をおこない、
精液量、精子濃度、運動率、総精子数を調べています。
ワクチンの種類は、21人がファイザー社、24人がモデルナ社製でした。
結果が下の表です。
液量、総精子濃度、運動率、総精子濃度のいずれの数値も
接種後に極端に数値が低下するようなことはなく、
接種前と同様、精液検査の基準値を満たしていました。
一般的に、
インフルエンザなどの発熱によって一時的に精子数が減少してしまい、
男性不妊の原因となることが知られています。
また、男性が新型コロナに感染すると、
精子数が減少してしまうという報告もあります(M Gacciら、2021)。
ワクチン接種による副反応でも、38℃以上の発熱がみられる場合がありますが、
今回の論文のデータからは、ワクチン接種が精液所見に悪影響を与える可能性は低いと考えられます。
そのため、妊活中であったとしても、
ワクチン接種による影響を過度に心配する必要はなく、
むしろ、妊娠前・妊娠中のパートナーの感染のリスクから守るためにも、
積極的なワクチン接種をご検討いただけたらと思います。