41歳でAMH値が3.2、高刺激法で採卵に挑戦できますか?

高齢でもAMH値が高ければ高刺激法で採卵したほうがいいのでしょうか。津田沼IVFクリニックの藤原礼先生に伺いました。

藤原 礼先生(津田沼IVFクリニック)昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、亀田総合病院、松本レディースクリニック、木場公園クリニック等での臨床経験を経て、2021年1月より津田沼IVFクリニックに勤務。同クリニックでは一般不妊治療から顕微授精まで、患者さんの状況や希望に合わせて幅広い不妊治療をご用意。補助療法としてサプリメントなども柔軟に採り入れています。

相談者:ステラさん(41歳)現在41歳。最近結婚したばかりですが、タイミング法などは試さず、すぐに体外受精を開始しました。クロミッドの低刺激法で、1周期目はふりかけ法で5分割くらいの胚を移植しましたが、陰性。2周期目もふりかけ法で胚盤胞まで育てる予定でしたが、6日目くらいで培養中止。3周期目はすべて空胞で採卵できませんでした。AMH値は3.2ng/mlで、夫の精子にも問題はないようです。この方法だと採卵が良くても1個、胚盤胞まで育たなければ移植ができません。私にはもう少し高刺激の方法のほうが良いのではないでしょうか。

 

41歳でAMH3.20というのは良い条件?

AMH3.20ng/mlというのは年齢の平均値と比べて比較的高いと思います。当院では体外受精を受ける方はもちろん、一般不妊治療の方も全例AMH値を測定していますが、41歳の平均値だとだいたい1を切っていますね。

AMH値は採卵数や卵巣を刺激する時の反応性と相関するといわれています。この方の値を考えると従来やられているような低刺激法だけではなく、高刺激法での採卵というのも選択肢に入れてもいいのではないかと思います。

40歳を過ぎてくると刺激をマイルドにして採卵に臨むケースが増えてくるのですが、卵巣の反応性には個人差があります。若くても卵子が採れない、40代を過ぎても比較的卵子が採れる方もいらっしゃるので、個人個人によって治療方針を変えていくということが大事。そういう意味でAMH値は客観的な指標になると考えています。

高刺激法で臨めば卵子がもっと多く採れる?

当院だったら、次は高刺激法で採卵することもご提案すると思います。ショート法やアンタゴニスト法、あとは最近よく行われている黄体ホルモンを投与し、排卵を抑えるPPOSという方法もあります

PPOS法は高刺激法に分類されるので、卵巣予備機能が良ければ十分な数の卵子を確保できる可能性があります。。治療成績はアンタゴニスト法と同等といわれていますので、当院では高刺激法の1つとして採り入れています。

同じAMH値でもやはり若い方のほうが卵巣の反応性は良いので採れる卵子の数は多い傾向にあります。ただこの方の値だと、場合によっては5個以上の採卵数を見込めるのかもしれません。

年齢が高くなると卵子の質自体が低下してきてしまうので、この方のように移植可能な胚まで到達しないことも当然起こってきます。高刺激法で臨めば採卵数の上乗せを期待でき、それが妊娠率の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

卵子の質は改善できますか?

卵子の質を改善することに関して、残念ながら今の段階で客観性のあるものはないと思います。ただ当院では、少しでも状況を改善したいと思っている患者さんには補助療法としてサプリメントをご提案しています。

おすすめしている物のひとつとして「イノシトール」というサプリメントがあります。これはビタミン類似物質に分類される成分で、卵子の形成過程に重要な役割を果たしているといわれており、体外受精の治療成績向上につながるという論文も報告されています。動脈硬化や生活習慣病の予防にもつながる成分なので、摂ることによるメリットは大きく、デメリットはほとんどありません。

まだあきらめるのは早いと思います。調節卵巣刺激の方法で採卵数を増やしていきながら、このような補助療法も取り入れて妊娠率向上を目指していきましょう。

藤原先生よりまとめ

  • 年齢を問わず、卵巣の反応性、採卵数には個人差があります
  • 症例によっては高刺激法で採卵数を上乗せして妊娠率向上を
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