移植時のホルモン値~浅田先生

不妊治療中は、ホルモンの値に敏感になりますよね。

移植準備中も、うまく着床できるのかどうか?ここでも敏感になります。

ホルモン値に振り回されないためにも、考え方を浅田先生に聞いてきました。

 

浅田レディースクリニック 浅田 義正 先生 名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
はるさん(25歳)ホルモン補充で移植準備中です。
エストラーナテープ4枚をD2から一日おきに貼ってます。
D14の日にホルモン値、内診したんですがE2の値が200欲しいところ190しかないまま移植日決まってしまいました。
先生にきいても、何とかなるよとしか言われません。
E2が200未満なのに移植しても問題ないのでしょうか。

E2値で条件を設定しているところが理解に苦しみます。

ホルモンを補充して移植する際に大切になるのは子宮内膜の厚みで、ある程度の厚み(7㎜以上)が条件になります。子宮は血管の塊のような臓器のため、内膜が薄い状態では非常に高酸素な環境になりますが、子宮内膜が厚くなることで一時的に低酸素環境がつくられます。

当院が受精卵や卵子を培養している培養器の空気は、酸素5%、二酸化炭素6%、窒素89%の低酸素環境ですが、この酸素5%というのは、我々の先祖の真核細胞にミトコンドリアが入って細胞が活発に活動できるようになり、生物が地球上に増加したときの大気の状態です。地球上の酸素濃度はゼロからスタートし、生物が増えるとともに徐々に上がってきました。現在、私たちは酸素濃度約20%の環境で生きていますが、石炭紀には30%以上だったと言われています。

私たちの体の細胞は、外は20%の酸素濃度に耐えることができますが、体の中の大切なところは、5%の低酸素環境でないと細胞が成長する条件としては整っていないことになります。

ホルモンは、子宮内膜を適切な厚さにして低酸素環境を作るために使用されます。ホルモンの値というのはある意味間接的なもので、ホルモンの値がこうだから妊娠率がこうなる、という話ではありません。ですから、エストラジオールの値が190であろうが200であろうが直接的には関係ありません。

また、エストラーナテープのみではなく、自身で作っているホルモンも分泌されています。そのうえで肝臓で代謝、分解されるため、同じ用法でテープを貼っても、人によってホルモンの濃度は異なります。

本質とは関係のないホルモンの値で悩まずに、内膜の厚さで考えていただきたいと思います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。