顕微授精前に受けておいたほうがいい検査はありますか?

ノア・ウィメンズクリニック 田中 宏明 先生 聖マリアンナ医科大学卒業。慶應義塾大学病院、東京歯科大学市川総合病院リプロダクションセンター、海老名総合病院などで約25 年間にわたり不妊と周産期医療に携わる。2018年、ノア・ウィメンズクリニック院長に就任。一人ひとりの生き方に配慮した、オンリーワンの診療に努める。医学博士(大阪医科大学)、日本産科婦人科学会認定専門医。
相談者 : いくちゃんさん(37歳)人工授精(AIH)6回実施するも妊娠に至らず、顕微授精へのステップアップを考えています。実施前に不妊・不育の原因となる要素をなるべく少なくしておきたいと思っていますが、実施しておいたほうがいい検査はありますか? 調べると子宮鏡検査、子宮内フローラ検査、ERA検査、子宮内膜炎検査、子宮収縮検査、不育症検査などがあり、どれを受けるべきか悩んでいます。なお、昨年6月に子宮内膜ポリープを切除し、子宮卵管造影検査も実施済み。精子は問題なしといわれています。

人工授精6回を経て、顕微授精にステップアップすることを考えていらっしゃるようです。

田中先生●人工授精の推奨回数はだいたい4~6回。回数をこなせば妊娠率が上がるという治療ではないので、このタイミングでステップアップをされるのは順当なことだと思います。
 人工授精の場合、その日に排卵しているということはわかりますが、その後、卵子と精子が受精しているのかどうかはわかりません。仮に受精していたとしても、受精卵がちゃんと分割して、子宮内膜に着床しているかということも不明です。排卵後の状況を知る、つまり不妊の原因をより深く探る意味でも体外受精や顕微授精に進むのは望ましいことではないでしょうか。

顕微授精を実施する前に受けておいたほうがいい検査はありますか。

田中先生●まず子宮鏡検査ですが、これに関しては昨年、子宮内膜ポリープを切除された時に受けているのでは?
 そこでポリープ以外に異常な所見が認められなければ、改めてこの時点で検査を受ける必要はないと思います。
 子宮内フローラ検査というのは子宮内の細菌バランスを遺伝子解析によってみるもの。正常なバランスを保っている=着床の環境が整っているということで、バランスが乱れていれば抗菌剤やラクトフェリンのサプリメントを使って対処していきます。

ERA検査についてはどうでしょうか。

田中先生●これは胚盤胞を戻す際、戻す時期がずれていないかどうかを調べるもので、すでに胚盤胞があることが前提の検査。良好な胚盤胞を複数回戻してもうまくいかなかった時に推奨される検査なので、今の段階では必要がないと思います。仮に治療を進めていってERA検査を受けるとなれば、同時に子宮内フローラの状態を調べることもできます。
 子宮収縮検査は受精卵の着床がうまくいかない時に調べるものです。不育症検査は妊娠したけれど、妊娠の継続ができないことが複数回続いた時に受ける検査。いずれも今、急いで受ける検査ではないと思いますね。
 この方の場合、ステップアップすることによっていろいろな問題が出てくる可能性がありますから、その時に必要な検査を受けて対応していくという考え方でいいかと思います。検査にもベストなタイミングがあるので、あせることはないでしょう。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。